株式レポート
9月1日 18時0分
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日本株 9月相場の展望 - 広木隆「ストラテジーレポート」

名実ともに9月相場入りである。9月は材料がたくさんある。今週だけでも、内閣改造、日銀の金融政策決定会合、欧州中央銀行(ECB)理事会、8月の米雇用統計と重要イベントが目白押しだ。来週になると、某外資系大手証券が毎年9月に開催しているジャパン・カンファレンスがあるため今年も多数の海外機関投資家が来日する。その週末にはメジャーSQを迎える。半ばを過ぎると米FOMC。アリババの上場日は未定だが下旬のどこかには決まりそうだ。下旬になると10月に発表される4〜9月期の決算発表への期待が高まるだろう。また、10月半ばに召集される秋の臨時国会も意識されカジノ法案や国家戦略特区法案の行方に注目が集まるだろう。

こうした相場環境のなか、日経平均は月末にかけて1万6000円を目指す展開を予想する。無論、上述した材料次第で振らされ荒れる場面はあるだろう。しかし、基調は堅調を維持するだろう。

まず一つ目の理由は企業業績がしっかりしているからだ。4-6月期の業績は製造業を中心にまずまずであった。そこに7-9月の業績が乗ってくる。7-9月はこれまでのところ為替は円安で推移し、海外景気も良好であった。ウクライナ情勢等もあり欧州は厳しいものの、日本企業総体でみた場合、欧州への依存度はそれほど高くない。なんと言っても、米国と中国の影響が大きい。その米国経済はGDPが上方修正されるほど景気が強い。中国も政府の景気対策が功を奏し持ち直しが鮮明である。上海・香港の株高がそれを明確に反映している。

外需はいいとして、問題は内需である。4-6月期の決算発表で内需系業種が多い非製造業の経常利益は前年比7%減益だった。消費増税の影響で小売りが2割も減益となった。

ここにきて消費増税後の国内景気の厳しさが明らかになりつつある。4-6 月期の実質 GDP(国内総生産)は、年率換算マイナス6.8%だったが、7月に入ってからの経済指標も振るわない。前月末に発表された7月の鉱工業生産は前月比で0.2%上昇。前月比3.4%低下と大幅に落ち込んだ6月の反動から2カ月ぶりにプラスとなったが生産の回復は弱く、市場予想の1.0%には届かなかった。同日発表された7月の家計調査で、2人以上の世帯の消費支出は前年同月比5.9%の減少。前年同月を下回るのは4カ月連続だ。

日銀は3日から2日間の日程で金融政策決定会合を開く。今回の会合で政策の変更はないが、「緩やかな回復」という景気の基調判断を維持する方向と見られている。理由は物価が日銀の想定通りに推移していることに加えて、所得環境の好転がある。基本給など所定内給与が6月に2年3カ月ぶりにプラスに転じたことなどを重視しているようだ。消費者心理も改善しており、個人消費は底堅く、いずれ回復基調に戻るとの想定である。

その意味で重要なのが明日2日に発表される毎月勤労統計である。前回の統計では上述した所定内給与も改善したが、基本給に残業代やボーナスを加えた現金給与総額が、正社員とパートを合わせた平均で44万280円と速報値から上方改定され1%の伸びとなった。これは2010年以来の高い伸びだ。人手不足がパートの賃金上昇につながり、ようやく正規雇用者の賃金にも反映されてきた。

この流れが続くようだと、内需の底割れも回避できるが、逆に賃金上昇が鈍いようだと今後の国内景気は失速感が強まる。物価も上がった、消費税も上がった、でも賃金がそれに追いつかなければ家計の実質所得はマイナスだ。これでは財布のひもも固いままになる。

万が一、毎月勤労統計が冴えない結果となれば、金融政策決定会合後の記者会見で黒田総裁から何らかのコメントが聞かれるだろう。このところ完全に後退していた追加緩和期待が台頭するかもしれない。もともと、日銀はシナリオの下振れがあれば躊躇なく措置を取ると言い続けてきた。よって、昨今の弱い景気指標が続けば緩和期待につながる。

内閣改造後、首相のコメントなどにも景気対策への言及がなされるだろう。

弱い景気指標はそれだけ政策期待につながる。それがダウンサイドのヘッジとなる。9月相場が堅調と見込む理由の二つ目は、それである。

先週末、日経平均は25日移動平均を瞬間的に割れる場面もあったが、すぐに回復し底堅さを見せた。GPIFによる日本株買いも下値の支えになるだろう。9月相場は日経平均で500円程度の上昇を予想している。






(チーフ・ストラテジスト 広木 隆)

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(マネックス証券)


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