フィリピン 2014年9月4日

「バクラ」と「トンボイ」
フィリピンではトランスジェンダーがいたるところで活躍している

フィリピン在住17年。元・フィリピン退職庁(PRA)ジャパンデスクで、現在は「退職者のためのなんでも相談所」を運営する志賀さんのフィリピンレポート。フィリピンの街角で日常的に目にするトランスジェンダーたちの正体は?

 最近はレズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー(性倒錯者)の4つまとめてLGBTというらしい。

 レズは女同士、ゲイは男同士が愛し合うもので、最近、アメリカの一部の州では同性婚が認められるなど、世の中に認知されつつある。バイセクシュアルは両性を相手にし、トランスジェンダーは身体と精神が性的に一致しない、いわゆるオカマやオナベだ。日本ではこれらLGBTは20人に1人、国民の5%に達するというから、全国で600万人という大変な数になる。

フィリピンでは同性愛は神の教えに背くこと。しかし……

 敬虔なクリスチャンの国であるフィリピンでは、同性愛は神の教えに背くとされている。実際のところ、多くのフィリピン人はいまだにエイズが同性愛に対する神の警告(あるいは処罰)だと思っているのだ。そのため同性愛はフィリピンでは話題に上ることもなく、公式には存在しないことになっている。

 しかしいったん街に出てみると、事情は一変する。

 フィリピンでは女装のオカマは少ないものの、歩く姿を見れば一目でそれとわかるし、男の格好をして女の子と手をつないで歩いているオナベもいたるところで見かける。フィリピンではトランスジェンダーは同性愛者とは見なされず、市民権を得ているから、その本性を隠そうとしないのだ。

モール・オブ・エイシアの近くのシーサイド・マーケット・レストランの呼び込みはほとんどがバクラ(オカマ)だ。声をかけられているのはビジネスパートナーのジェーン【撮影/志賀和民】
同じくシーサイド・マーケット・レストランの呼込み嬢。カメラを向けると集まってきてポーズをとってくれた【撮影/志賀和民】

 そもそもトランスジェンダーは、生まれてくるときに、肉体的な性別に対して精神のミスプログラミングで食い違いが生じてしまったものだろう。しかしそれはそれで人間社会にバラエティを与えるから、フィリピン人は彼らを受け入れ、自然な友人関係を築いている。どうしても女に見られたいオカマは、化粧をしたり整形をして女らしく見せようとする。これは普通の女性が化粧やダイエットをするのと一緒ではないか。

ジェーンの義兄にあたるジョジョ。ビューティッシャンで、その性格はすこぶる良くて人気者だ【撮影/志賀和民】

橘玲の書籍&メルマガのご紹介
世の中(世界)はどんな仕組みで動いているのだろう。そのなかで私たちは、どのように自分や家族の人生を設計(デザイン)していけばいいのだろうか。
経済、社会から国際問題、自己啓発まで、様々な視点から「いまをいかに生きるか」を考えていきます。質問も随時受け付けます。
「世の中の仕組みと人生のデザイン」 詳しくは
こちら!
橘 玲の『世の中の仕組みと人生のデザイン』 『橘玲の中国私論』好評発売中!

バックナンバー

»関連記事一覧を見る

海外投資必勝マニュアル&本

海外投資のノウハウが凝縮! ここで紹介しているコンテンツ、書籍はすべて、ネットから購入が可能です。さらに「海外投資実践マニュアル」は「海外投資を楽しむ会」の会員になれば割引価格で購入可能です。

作家・橘玲がメルマガ配信を開始!
橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
橘玲×ZAiONLINE海外投資の歩き方
作家・橘玲がメルマガ配信を開始!
subcolumn下影

ページのトップに戻る

本WEBサイトに掲載している全ての記事およびデータについて、その情報源の正確性・確実性・適時性を保証したものではありません。本サイトの提供情報を利用することで被った被害について、当社および情報提供元は一切の責任を負いませ ん。万一、本サイトの提供情報の内容に誤りがあった場合でも、当社および情報提供元は一切責任を負いません。本サイトからアクセス可能な、第三者が運営するサイトのアドレスおよび掲載内容の正確性についても保証するものではなく、このような第三者サイトの利用による損害について、当社は一切責任を負いません。また、併せて下段の「プライバシーポリシー・著作権」もご確認ください。