米株式市場には「クリスマス・ラリー」や「ニューイヤー・ラリー」といった年末・年始高を表す言葉がある。日本でも、「新春相場」があり、年の始めは株高との見方が少なくない。

 しかしながら、こうしたアノマリー(季節的特性)は、さらに注意深く見る必要がある。一般のイメージとは異なって、じつは米クリスマス商戦の好不調によって、相場の強弱が二極化するという厳然たる事実がある。

 米クリスマス商戦は、年間売上高の3~4割を占める小売り業にとって最大のイベントだ。クリスマス商戦が好調ということは、そのまま米国景気が良好であることを示す。

 米GDPの約7割が個人消費であることを考えても、「クリスマス商戦好調→堅調な米景気→株高」という構図が描ける。

 実際、クリスマス商戦好調年の米株は、12月後半から尻上がりに上昇傾向をたどる。ところがクリスマス商戦不調年は、イメージとはまったく逆に、株価は「年末・年始安」の軌道を描くのである。

 11月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が53万3000人減と1974年12月以来の高水準となり、消費者信頼感指数も記録的な低水準に沈んでいる。今年のクリスマス商戦は、ウォルマートのような低所得者層をメイン顧客としたディスカウンターや、アマゾンのようなネットショッピング以外は厳しいものが予想されよう。

 特に、不動産・株式の下落というダブルパンチを受けた富裕層の購買意欲は低下しており、高額商品ほど不振となろう。

 米クリスマス商戦という書き入れ時を前に、全米第1位の家電量販店ベス・バイが大幅下方修正を発表し、第2位のサーキット・シティが連邦破産法第11条を申請したのが象徴的である。