「案内板や標識をお洒落に小さくしており、新宿駅と比較しても照明が美術館・ギャラリー仕様で暗いので閉塞感があります。あらゆる要素が人を迷わせるダンジョンになっているのです」

 そして、とどめだ。

「もうひとつ、自然環境を生かすと言ってますけど、空調が効いていないでしょう。あれだけ複雑な構造だから、自然換気など無理です」

 プロによるプロのための専門情報サイトは嘘っぱちだと言っているのだ。

 夏の暑い日、ヒカリエを経由して地下に降りた際、ヒカリエのエアコンが効いていたせいか、空間のダイナミズムに出たときには空調が効いているふうには感じられなかった。そーいえば東横みなとみらい線って、馬車道や元町中華街の空調もよくないよね。

 設計や建設のプロなら、図面を見た時点で、この設計はまずいかも、とわかるんじゃないかと思うのだけど、東急電鉄も、渋谷駅の工事にあたった建設会社も、誰も安藤デザインに異を唱えなかった。それどころか、ヨイショのベタ褒め。

 ゼネコンの世界では、大御所には意見できないって掟でもあるのかしら。

 なんて思ってしまう。個人的な思いも含め、周囲でも非難囂々の渋谷駅だが、東急電鉄広報部はかなり強気だ。

「渋谷はいま、一〇〇年に一度と言われる大改革が行なわれています。二〇二〇年の東京五輪までには、地下駅化に伴い複雑化した動線も含め、おおよその開発のメドがつく予定です」

 二〇二七年までに、ヒカリエのような巨大ビルが渋谷駅周辺に五つも建てられるんだってさ。ゼネコン大喜び。

「工事中のいま、利用者の方にはご迷惑をおかけしていると感じています。動線は、まず銀座線の改札口をヒカリエ二階に作り、上下移動するだけで乗り換えができるよう改善します。また、東横線のヒカリエ前改札から一階JR改札口への乗り換えを真っ直ぐ短距離で結び、移動しやすくします」

 さらには駅全体にスカイデッキを作り、地上に出ても歩きやすいよう歩行通路を改善する予定なのだそうだ。

 だったらさ、どーして最初っから「使いやすい」駅をつくってくれないの?