で、暴走族である。古くはカミナリ族と呼ばれ、各所を暴走するから暴走族と呼ばれるようになった狂騒集団だが、近年、彼らに異変が起きているらしい。

 神奈川県警の発表によると、最近の暴走族は、まずグループ名を持たず、リーダーを置かないらしい。かつては横浜なんちゃらとか横須賀どーたらといった、地元の地名を入れ、他グループとの差別化を図り対立していたものだが、グループ名を持たない「名無し集団」が増えているのだそうだ。

 交通捜査課は、二〇一一年~今年八月初旬までに、危険な集団暴走等を理由に摘発した暴走族二〇組(約二九〇人)中、驚くべきことに十一組(約一九〇人)の暴走族にチーム名がなく、また、リーダーも置いていなかったと発表した。

 暴走族のことはよくわからないが、リーダーがいないということは、総長とか一番隊長とか特攻隊長ってのもいないってことだね。でも、リーダー不在の暴走族って何よ?

 摘発されたメンバーの多くは十代で、彼らの多くは取り調べにこう応えているそうだ。

「グループ名をつけて走るのはばかばかしい」
 「集団名があることでグループに縛りつけられ、上の人間から金を取られそう」
 「乗るバイクまで指定されそうで、グループ名やリーダーがいるのは嫌」

 だそうだ。族の世界にも、ゆとりが入り込んでいたか。
 捜査員も、それで頭を悩ませているらしい。

「繁雑な上下関係や、決まり事を極端に嫌う。厳しい上下関係のもと、そろいの特攻服で暴走をしていたむかしと、いまの暴走族の姿は様変わりしている」

 チーム名がないことも、暴走族の実態把握を困難にさせている原因のひとつになっているようだ。

 神奈川県警が把握してるところでは、神奈川県の暴走族のピークは一九九二年で、当時は七〇組のチームがあり、四八四一人の所属を確認していた。一つのグループに約七〇人が所属していた計算だ。

 リーダーは歴代継承され、誰が所属しているかもわかりやすかったが、今年六月の時点で県警が把握している昔ながらの暴走族は、わずか四組(三三五人)しかないのだそうだ。