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下請けからの接待全面禁止で
竹中工務店が狙う別の“効果”

週刊ダイヤモンド編集部
2009年7月28日
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 「個人的な利益供与につながる贈答をいっさい受け取り辞退します」──。この夏、竹中工務店が取引先企業約6000社に送った通達が業界内で話題を呼んでいる。

 6月1日に改正された社内規定で、下請け会社から竹中の社員・役員が、中元、歳暮、ゴルフや飲食の接待などを受けることを禁じた。手土産の菓子折りまで辞退する徹底ぶり。加えて、社員の規定違反を下請けが通報できる窓口も新たに設置した。ゼネコン業界でここまでの規制は珍しい。

 竹中は、2007年に施工ミスや労災隠しなどの一連の事件が報道され企業イメージが失墜したことを契機に、社内コンプライアンス体制の抜本的見直しを3年間かけて行なってきた。

 今回の改正はいわば集大成であり、下請けが直接、本社監理室の専門窓口あてに、電話や手紙、インターネットで通報できる仕組みに変えた。業者も出入りする各現場の休憩室に通報制度をPRするポスターを張り出す念の入れようである。

 じつは、一連の取り組みには別の“効果”への期待もある。竹中は下請け業者を管理する調達部門のみならず、施主との窓口である営業サイドにも、この制度を説明させている。竹中が社内制度として下請けからの利益供与を禁じていると周知させることで「顧客がコンプライアンスに反することを求めてきても、毅然と断れる環境づくりにも役立つ」(須藤直・竹中工務店コンプライアンス部長)との読みだ。

 ゼネコン業界は、施主から元請け、元請けから下請けへとしわ寄せが及ぶ“搾取構造”の上に成り立ってきた。今回の取り組みは、こうした悪しき体質の是正のために一石を投じることになるだろう。

 そもそも、不況の折、コスト削減が叫ばれるなか、過剰な接待で工事とは直接関係のない支出を増やす余裕は元請けにも下請けにもないはず。一見厳し過ぎる今回の措置だが、じつは業界全体で行なうべきものなのかもしれない。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 鈴木洋子)

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