「井の中の蛙」になっていないか?

 日系の大手企業では、人事部に配属されるのがエリートコースとされている企業もありますが、そのようなことは人材市場での評価にはほとんど影響がありません。

 例えば、難関の商社で新卒入社後に人事に配属されたとします。人事経験しかないままで転職活動をしたならば、人材市場では人事系キャリアの人だと判断されます。せっかくの商社勤務である優位性は薄れるでしょう。むしろ、人材市場でニーズの高い海外営業経験を持っている他の同期の人のほうが高い評価を受けるかもしれません。

「自分は同期の中でも最も高い評価を得ているんだけど……」と思っていても、実際に人材市場に出ると評価が逆転することは珍しくありません。

社内評価に流されずに自分の専門性を磨く

 人材市場においては、比較優位となる専門性を持っている人ほど高く評価されます。そのため、自分が突き詰めたいと思っている分野で経験を重ねることが大切です。将来、経理・財務領域に携わりたいと考えているならば、仮に経理部門が社内であまり評価されていなかったとしても、社内の評価に流されずに経理部門を選択してキャリアをつくることが重要となります。

 その会社に骨を埋めるつもりがないのであれば、社内の基準で考えるのではなく、自分が将来的に携わりたいと考えている分野をしっかりと見据えて主体的にキャリアをつくることが大切なのです。
 


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