なぜこれほどまでに女性に優しいのか?
ワーキングマザーを助ける税制優遇措置

「女性活用」は成長戦略になり得るか(下) <br />「カカア天下」はグローバル基準だった?<br />家事・育児から解放され過ぎた“働く妻”の実像125年の歴史を誇るシンガポールで最も古いホテル、ラッフルズ。シンガポールの歴史を見つめながら、今日もたたずむ

 シンガポールは「女子の自立天国」である――。

 政府が成長戦略として「女性の活躍」を謳う日本だが、女性が活躍できる土壌そのものはまだ整っていない。それに対してアジアにおけるグローバルの象徴とも言えるシンガポールでは、女性が仕事で活躍できる土壌がカンペキに整っている。

 「女性は食事をつくったり家事をしなくてもいい」「親戚・ご近所さんの子育てサポートは当たり前」「夫にイクメンを求めて当然」「女性でも能力さえあれば、どこまでも昇進できる」といった状況が当たり前となっていることは、連載第8回でお伝えした通りだ。

 なぜシンガポールは、これほどまでに女性に「優しい」のか。前回に引き続き、女性が活躍しやすい“土壌”をさらに掘り下げ、日本社会への教訓を述べたい。

 シンガポールはとにかく小さな島国国家で、日本とは比べ物にならないほど人口も少なく、建国当時から女性の労働力を活用せざるを得ない状況にあった。

 そのため、女性就労に関する税制優遇処置は、大小の差はあれ、20年も前にすでに存在しており、シンガポール政府は活発にワーキングマザーの社会進出を支援している。

 シンガポール政府は、どのような税制優遇措置でワーキングマザーをサポートしているのか。主なものを紹介しよう。

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