斎藤顕一の営業プロフェッショナル養成講座
【第17回】 2014年9月26日
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斎藤顕一  [ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授、同大学院経営学研究科教授]

代理店との連携:
売上拡大と新しい基盤づくり [本質的問題解決Q&A]

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ベテラン営業の知恵を部下に共有させる

 まず知恵の共有化ですが、自社のベテラン営業スタッフに「君たちの知恵を紙に書いてマニュアル化してくれ」と言っても、まずできないでしょう(笑)。本連載でこれまで述べたように、こういう場合にまずすべきことは、ベテランスタッフの行動を理解できるような数字を押さえることです。

 質問者が何人の代理店営業を統括しているかはわかりませんが、各営業スタッフの代理店別売上高の推移と、その業績の違いが何に起因するかを理解することが、“ベテランの知恵”を理解する上で非常に役に立ちます。個人の成績の違いがなぜ生じるかに着眼するのです。

 通常、各営業の成績にはバラツキが出ます。その原因を考えると、代理店の能力の違いはもちろん大きいのですが、どの代理店に対しても同じ商品を提供しているのですから、違いは営業スタッフの活動の「量」と「質」にあると想定できます。

 量は、訪問頻度、商品の仕様や訴求点などを代理店担当者に説明するのに使った時間などです。どれほど残業していようと、社内の報告目的の会議や書類作成、また移動時間に多くの時間を使っているようでは、顧客である代理店に対してしっかりと「営業活動の量」を使ったとはいえません。

 一方、質は、自社の売上を伸ばすことではなく、代理店の業績を高めるために、代理店の活動を十分に理解して強みをさらに強化するための方法や、抱えている課題を解決する方法をアドバイスする活動のことです。自分のノルマを達成するために、代理店営業に無茶なお願いをするのは確実に「営業活動の質」を低下させ、長い目で見ると営業力も減少していきます。

 量が増えれば業績が上がると考える人が多いのですが、実は、質が業績を決定することをしっかり理解していただきたいものです。

 興味深いことに、私のクライアントを見ても、ラクして高業績を達成している人は一人もいません。むしろ費やすエネルギーの大半を質の高い営業活動に割いています。使っているエネルギー量は少ないのに成果が大きい人は、代理店の営業レベルに加えてロイヤルティが高いという共通点があります。

 これらはすべて、質の高い営業活動から来ているといってよいでしょう。質の高い営業活動は、代理店のレベルを高めることができるし、そうすることで代理店の高いロイヤルティを得ることができるのです。

 ベテランスタッフの中にも、もちろん質の高い営業活動をしてきた人たちがいっぱいいるでしょう。高業績の営業スタッフには、第16回で述べた営業活動の流れを示しながら、どのプロセスが重要で、具体的に何が高い質を実現させているかをぜひ聞いてみてください。彼ら彼女らは、誰に対しても同じような具体的な取り組みをするわけではありません。代理店の状況を十分に理解した上で、それぞれに適切な指導をしているはずです。それが、どのようなものかを質問して聞き出し、それをバリューチェーン上に記載することで、次代のスタッフたちに引き継ぐことができます。

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斎藤顕一 [株式会社フォアサイト・アンド・カンパニー代表取締役]
[ビジネス・ブレークスルー大学経営学部教授、同大学院経営学研究科教授]

マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社、パートナー、大阪支社副支社長を務め、1996年にフォアサイト・アンド・カンパニーを創業、現在に至る。経営コンサルティングに加えて問題解決のスキル研修を数多く手がけ、企業の業績向上に大きな成果を上げてきた。大前研一氏が学長を務めるビジネス・ブレークスルー大学において、経営学部および大学院経営学研究科教授。これまでBBTオープンカレッジ、学部、大学院の生徒や企業研修の生徒を合わせて、2万人以上の人たちに問題解決の考え方や実践の仕方、また成果実現の方法を教える。大前研一氏との共著に『実戦! 問題解決法』(小学館)、『大前研一と考える「営業」学』(ダイヤモンド社)がある。単著に『[新版]問題解決の実学』(ダイヤモンド社)がある。

 


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「営業の達人」のスキルは努力の賜物であり一朝一夕に身につくものではありません。でも実は、日々の営業活動のなかに、これを習得する近道があります。困っていること、わからないこと、迷っていること等々は「営業目標を達成するために最も重要な成功の鍵」です。これらの問題を「発見」し、「解決」することで、営業プロフェッショナルとしてのスキルが培われます。

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