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山崎元のマネー経済の歩き方

バリュー投資はすっかり死んだのか?

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第1回】 2007年9月27日
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 株式のファンドマネジャーやトレーダーから、過去1年以上、「バリュー効果(割安株投資の効果)がなかなか効かない」という声を聞くようになっていた。彼らの言い回しで「効かない」というのは、具体的には自分が運用するポートフォリオにおいて、割安株のウエートを増やしたとき、市場平均に勝ちにくいことを意味する。

 時価総額の大きな銘柄の株価が、外国人投資家が買いにくると、割安・割高には関係なくまとめて上がり、彼らが売りにくると同様の銘柄がまとめて下がるといった、いわば無機質なマーケットでは、平均的には割安株のパフォーマンスがいい、という経験則があった。それが、「真逆」とまではいかないものの、どうも不安定で頼りなかった。そうこうしているうちに、例のサブプライムローン問題で、ヘッジファンドが投資を引き揚げ、割安株に傾けたポートフォリオは、過去の何年かの対ベンチマークの稼ぎをほんの数日で吐き出すような、強力な逆風に見舞われた。

 なんらかの株価尺度に基づいた割安株への投資が有効かどうかを判断するには、(1)そもそも割安修正のポテンシャルがどれだけ残っているか、(2)同様の戦略に賭けるライバルがどの程度いるのか、という2点のチェックが必要だ。

 株式投資の大本の部分は、まさに「株」というように、時間をかけて植物を育てるような営みだが、アクティブ運用(市場平均よりも稼ごうとする運用)では、肉食獣の狩りのように、獲物の残り具合と、ライバルの数が問題だ。

 PERを評価尺度にする戦略を考えてみよう。たとえば、高いほうでは40倍を超える銘柄が多数あり、低いほうでは15倍を割り込むような銘柄も多い、という状況Aと、10数倍台後半から25倍くらいまでのあいだのPERがひしめいている状況Bでは、常識的に考えて状況Aのほうが、バリュー投資家にとってチャンスが多い。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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