
【今回のまとめ】
1.第3四半期の決算発表が続いているが、これまでのところは絶好調
2.とりわけ、ハイテク・セクターの活躍が目立つ
3.マイクロソフトの「貯金」は着実に増えている
4.「iPhone(アイフォーン)」や「キンドル」などの新製品が需要を喚起している
先週の金曜日、10月23日までに、アメリカ企業の約4割が第3四半期決算を発表しました。
今年に入ってから、実際の決算が事前予想を上回るケースが多く見受けられますが、今回は、その傾向が特に鮮明です。これまでに第3四半期決算を発表した企業の81%が、事前のアナリスト予想を上回りました。
通常、この比率は6割程度なので、今回の決算発表が際立って良いことがわかります。
しかも、1株当たりの利益(EPS)だけでなく、売上高もアナリスト予想を超える企業が大半だったことが、今期の特徴として指摘できます。
第1四半期と第2四半期は、コスト削減などの努力によって何とかEPSだけが格好をつけていたけれども、需要の強さの尺度である売上高はさえないというケースも多くありました。これまでとは対照的な結果です。
なかでも、ハイテク・セクターの好調が目を引きます。
アメリカ企業全体では、第3四半期の収益は、前年同期比で18%程度の減少となっていますが、ハイテク・セクターに限って見ると、前年同期比で6%の減少にとどまっています。
注目のマイクロソフト(ティッカー:MSFT)ですが、発表された決算は、市場予想よりも良いものでした。今期の売上高は129億2000万ドルで予想の123億2000万ドルを上回り、EPSは40セントと予想の32セントを上回りました。
マイクロソフトについては、今期は『ウィンドウズ7』の発売を目前に控えていたことから、決算書を見る場合、特別に注意を払う必要があります。
それは、新製品発売前に買い控えが起こるのを回避するため、「新製品が出た際には無料でアップグレードいたします」というクーポンを出しているためです。
このように、将来、顧客に無料でアップグレードを約束した場合には、その約束が実行に移されるまでは売上高を計上することができません。
今期は、そのような売上高が14億7000万ドルありました。EPSだと12セント分に相当し、これを加算すれば、実際の売上高は143億9000万ドル、EPSは52セントだったのです。
また、マイクロソフトが実際、いくら稼いだのかを知ろうとした場合、「アンアーンド・レベニュー(Unearned revenue)」という項目に着目する必要があります。
日本語だと「前受け収益」と訳され、損益計算書には記載されず、貸借対照表だけに載っている項目です。
顧客にモノを売り、確実に入金のあった売上げでも、一定期間無料サービスを保証した場合、あるいはライセンス契約の期間が決まっている場合については、そのすべてを前倒しで計上することができません。
そのようなサービス義務を含む売上げが、どのくらいあったのかの尺度が「アンアーンド・レベニュー」となります。
