ストレッチ目標を掲げ
仕事の優先順位をつけさせる

第2ステップ:バランスのとれた目標を腹落ちさせる(目標設定)

 OJTの土台ができたら、いよいよPDCAを回しながらの指導開始です。まず考えなければならないのが目標の内容です。事業の目標はどうしても、短期目標と成果目標に偏ってしまうので、長期目標や学習目標も立てなければなりません。

 次に目標のレベルです。頑張れば手の届く程度にストレッチし、期待し、励ますことで、部下が目標に立ち向かおうとする気持ちを高めることが大切になります。

 目標が高すぎるときには、目標をいくつかの段階に分解し、目標の意味をしっかりと言葉で説明することで、部下が「腹落ち」できるように導きましょう。

第3ステップ:全体を見せ、段取りさせて、仕事を任せる(計画立案)

 次に、立てた目標を計画に落とし込みます。心がけたいことは、計画の全体像を意識させることです。計画をシミュレーションさせて、部下が全体像をイメージできるようにします。

 その上で、仕事の緊急度と重要度で仕事の優先順位をつけさせたり、To Doリストによって仕事の段取りさせることも有効です。

 このとき大事なのが仕事の任せ方です。任せ方の原則を押さえつつ、部下の成長スピードに合わせて任せ方を変えていくことも重要になります。

第4ステップ:声をかけ、しっかり聞き、共有する(実行)

 PDCAのD、つまり実行段階で気をつけることは3つあります。第一に、日々の声かけです。声かけは、「あなたに関心を持っていますよ」という気持ちを示すと同時に、問題を未然に防いだり、早めの解決につながることも多いといえます。

 第二に、定期的にミーティングを行い、部下の話をしっかりと「聴ききる」ことです。聴ききることで信頼関係が生まれ、業務の進捗状況を正確に把握することが可能になります。

 第三に気をつけなければならないのは、1対1の閉じた関係になるのではなく、部下の仕事の状況を職場全体で共有することです。これによって職場メンバー全員がサポートやフォローする体制が生まれます。