フィリピン 2014年10月9日

フィリピンの役人は「公僕」ではなく、市民を支配するボス?
無犯罪証明の認証手続きに右往左往

フィリピン在住17年。元・フィリピン退職庁(PRA)ジャパンデスクで、現在は「退職者のためのなんでも相談所」を運営する志賀さんのフィリピンレポート。退職者ビザを取得する際の手続きが、ますます複雑に。ルールを簡単に変えて融通が利かないフィリピンの役人たちの実態とは?

 以前はフィリピンで退職ビザを取得する際、日本の警察ではなくNBIクリアランス(フィリピンの無犯罪証明書)で代用することが認められていた。その後、IDを更新する際に、フィリピン退職庁(PRA)が日本の警察で無犯罪証明書を取得して提出するよう求められるようになった。

 今回は、その無犯罪証明書のフィリピンでの認証方法の度重なる変更に翻弄された話だ。

日本大使館の手続き変更

 フィリピンで日本の無犯罪証明書を入手するには、まずマニラの日本大使館に申請しなければならない。申請には本人の指紋採取が必要で、そのためにクラークにお住まいの退職者のSさんはマニラにやって来て、キャンプクラミの国家警察で指紋をとり、日本大使館に持っていった。この申請には代行は認められず、もちろん指紋採取の代行もありえない。

 そして申請から約2カ月後、Sさんの委任状で当方が日本大使館で無犯罪証明書を受け取ることができるはずだったが、大使館は本人がフィリピンにいることを確認するためにパスポートの原本が必要だと言い出した。もっともこれはLBC(宅配便)で送ってもらえばいいことだから、どうってことはない。

 次に大使館は、従来大使館で開封していた無犯罪証明書を、提出先(PRA)で開封してもらってこいと言い出した。これもお馴染みのPRAに持っていけばいいのだから、ステップが一つ増えるだけで大きな問題ではない。PRAは快く開封して、大使館宛てのレター(Endorsment Letter)を発行してくれた。

 それを大使館に提出すると、これまで翌日発行だった印章証明がその場でもらえるようになった。これはいいことだが、相変わらず料金が2250ペソ(約5600円)もするのはちょっと解せない。

外国人のネックはこの入管だ。お役所仕事の最たるところだが、どういうわけか、お金が動くとあっという間に、ことが進む【撮影/志賀和民】

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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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