もしも今の仕事の肩書きがなくなったら?
人生に付加価値をつける「副業」という選択

 仕事の肩書きを取ったら、あなたは何と名乗りますか?

 そう聞かれて困る人は多いだろう。多くの方は「仕事第一」「仕事優先」で、実直に働いているのだから。しかし、まじめに働くこと自体は悪いことではないが、本当に「仕事だけ人生」で満足しているのだろうか。

 今回で連載も10回を数え、筆者はこれまで幾度となく「仕事を圧縮し空いた時間で、何か仕事以外の人生の楽しみを見つけてほしい」(仕事圧縮に関しては第57回を参照)と書いてきたが、皆さんの人生に何か変革が生まれただろうか。「Yes」と答えてもらえたなら、リーゼント冥利に尽きるというものだ。

ある日突然、今の肩書きを失ったら生きて行けるか?<br />グローバルでは常識! 「副業ワーカー」という生き方元中央郵便局を改装してできたフラトンホテル。副業と本職の様に、歴史と今がホテルの中に混在している

 しかし現実には、「今は会社が忙しい」「何をすればいいのかわからない」といった声が多く挙がってきそうだ。なるほど、何かの指南書があるわけでもなし、最初は何をすべきかわからないだろう。

 そこで今回は、とりあえず「仕事以外の付加価値を何でもいいから付けたい」という“人生付加価値初心者”に対して、とりあえず“付加価値”の代表格の1つである「副業」について触れてみよう。

 一口に副業と言っても、人によって様々だ。少~しチャレンジしてみるだけでも人生変革につながるし、何よりカッコいい!(それは、人として何よりも重要なことだ)。

 とはいえ「副業」という言葉は、日本人にはまだ馴染みが薄いかもしれない。米国のサブプライム問題を発端とした世界同時不況以降、日本でも富士通や東芝などの上場企業が一部の社員の副業を容認し、一時「副業ブーム」が起こったものだが、今はどうだろうか。日本企業では、いまだ就業規則などで副業が禁止されているケースが少なくないだろう。

 それに対して、僕が勤めている会社は「本業に支障がなければ副業OK」なので、日本では考えられないほど副業を行っている人は多い。うちだけでなく、多くの多国籍企業では副業を許容しており、副業自体珍しいことではない。終身雇用がなく、1ヵ月前の通知で会社が自由に社員を解雇できる、海外ならではの風土と思われる(ちなみに、もちろん会社には事前申告が必要だ)。