料理と合わせることを楽しむ「サケ」が、世界で受け入れられる

――海外のお客さんに好まれる日本酒づくりのためのマーケティングは?

うちのお酒はNOBUにしか行かないので、ニューヨーク、香港、ケープタウンなど世界各地のNOBUで「サケディナー」というプロモーションをして、直接お客さんの声を聞きます。欧米人は食中酒として日本酒を味わうので、僕が料理に合わせてお酒を選び、説明して感想を聞いて、「この料理にはこのお酒の組み合わせもありますよ」と提案する。感想を聞くことで好みがよくわかります。

僕はお酒の飲み方にルールはないと思っているので、「美味しくなるんなら、大吟醸をお燗したっていいじゃない」と言います。外国の方や日本人でも女性は先入観がないので、お酒の飲み方も自由です。新しい提案も受け入れてくれます。マニアックな日本酒通のオジサンには叱られたりしますが、いろんな楽しみ方があっていい。そうじゃないと次の展開はないと思います。

ノブさんが味噌を乾燥させてドライミソを考案したように、僕も見習って常に新しい発想で日本酒づくりに挑戦し続けたいと思っています。

<取材協力:NOBU TOKYO