橘玲の日々刻々 2014年10月20日

日本のリベラルは「個別の問題に反対する」ことしかできない
[橘玲の日々刻々]

 しばらく海外にいて久しぶりに日本に戻ってきたら、駅前で「朝日新聞を廃刊にせよ」というのぼりを持ったひとが演説していて驚きました。その後、たまっていた新聞や雑誌を読んでようやく事情がわかりました。海外では、朝日新聞の誤報をめぐる日本社会の大騒動はなんの関心も持たれていなかったのです。

 この問題についてはすでに膨大な論評がありますが、ここでは「戦後民主主義」という日本型リベラリズムの蹉跌について考えてみます。

 戦後民主主義は、300万人の死者と広島・長崎への原爆投下という悲惨な結末を招いた日中戦争・太平洋戦争への反省から生まれました。その根本理念は「二度と戦争をしてはならない」で、これに反対するひとはいないでしょう。問題は、そのためにどうすればいいかという政治戦略です。

戦後日本のリベラルな知識人は次のような議論を展開しました。


1.反権力 日本をふたたび軍国主義にしないためにはあらゆる権力に反対しなければならない

2.反米 アメリカは帝国主義国家で、日米安保条約は日本を戦争に巻き込むだけだ

3.憲法護持 軍隊がなければ戦争はできないのだから、非武装中立こそが平和への道だ

 このようにして日本のリベラルは「天皇制」に反対し、毛沢東の中国やスターリンのソ連、金日成の北朝鮮に親近感を抱き、社会党や共産党を「革新政党」として支持しました。


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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