総合小売り業界がイオンとセブン&アイ・ホールディングスの大きく二つに集約されつつあるなか、中部圏を地盤とするユニーは関西のイズミヤ、四国のフジと手を組んだ。“スーパー・リージョナル・チェーン”としての生き残り策とは?前村哲路社長に聞いた。
(「週刊ダイヤモンド」編集部 須賀彩子)

前村哲路
前村哲路・ユニー社長
photo by Mikio Usui

 ユニーは、全国展開するナショナルチェーンではなく、中部圏を中心としたスーパー・リージョナル・チェーンを目指している。現在、出店する20府県でのシェアを高めようという戦略だから、出店地域の重ならないイズミヤ、フジとの提携はメリットが大きい。資金と人材と時間をかけて不得手な地域に出店するよりは、そこにある企業と組んで規模の利益を追求しようと3社の思惑が一致した。

 一方で、20代の社員には「20年後には日本にいないよ、中国にいるから」と話している。中国の人口13億人の1割が富裕層だとしても日本人全体より多い。目の前にある豊潤なマーケットを狙わないことのほうがリスクだ。ただ、上海は競合も激しく、日本で通用しないようでは勝ち抜いていけないだろう。

 国内では、4つのフォーマット開発を急いでいる。大きくはアピタという生活向上業態と、ピアゴという日常生活便利店で、チェーンストアとして完成させたい。4つのプロトタイプが完成して、成長戦略を描ける確信が持てたら、集中的に改装投資をしていく。