中国市場への依存度が
ますます強まる日本企業

 超低空飛行を続ける日本経済。日本の国民1人当たりのGDPは世界19位まで下がり、2050年には人口も1億を割り込むと予測されている。

 今後もこのマクロトレンドが続くことを考えると、高齢者向けビジネスなど特別な業界を除き、日本の国内市場はまさに「下りエスカレーター」となるだろう。

 このまま日本市場というタイタニック号が沈まないことに賭けるか、はたまた、ある程度のリスクをとって海外市場に果敢に挑戦するか──。今まさに日本企業の経営者は、厳しい意思決定を迫られている。

 では、もし活路を海外市場に求める場合、どこに挑戦すべきか。インド、ロシア、東南アジアという選択肢もあり得る。しかし、これまでの日本との関わりの深さや潜在的な成長力を考えると、大本命はやはり「中国市場」となるだろう。

 実際、日本企業だけでなく、中国ローカル企業を含めた世界中の企業が、この中国市場での覇権を目指して戦いを繰り広げている。一昔前、アメリカンドリームという言葉があったが、今まさに中国では「チャイニーズドリーム」を目指したグローバルな戦いが起きている。

中国市場は、日本企業にとって
ホームではなく「アウェイ」である

 ただ残念なことに、この中国市場での戦いを優位に進めている日本企業は少ない。中国にいる日本人や日系現地法人相手のビジネスである程度成功している日本企業はあるものの、肝心の中国人や中国企業相手の中国ローカル市場で成功している日本企業は、まだ少数というのが現状だ。それは何故だろうか。

 その一番の原因は、多くの日本企業が中国を「ホームグラウンド」と思い込んで戦っているからだと、私は思っている。顔の色は日本人と似ていても、飛行機で数時間以内の距離であっても、中国市場は日本とは違うやり方で戦うべき「アウェイ」の市場なのだ。