400名近いスタッフをどうやる気にさせたか

 ……400名もスタッフがいると、環境整備定着プログラムを実施するのも、大変なのではありませんか?

小山 400人近いスタッフに環境整備を教えるには、こちらのスタッフも増員する必要があります。そこで私は、武蔵野の社員40人を滋賀ダイハツ販売に向かわせることにしました。でも、課長職以上の社員は30人しか集まらなかったんです。そこで私は、残りの10名を、「入社1、2年の社員」でまかなうことにした。言葉は悪いですが、数合わせですね(笑)。ところが、一番力を発揮したのは、数合わせのために送り込んだ新人たちでした。

【第7回】<br />指導500社で初!2度の落選にめげずに<br />2013年度「日本経営品質賞」を初受賞した<br />「滋賀ダイハツ販売」の秘密

なぜ、武蔵野の1、2年目社員が活躍したのか?

 ……どうして、新人が活躍したのですか?

小山 環境整備のことがわかっていない滋賀ダイハツ販売の社員と、ようやく環境整備ついてわかってきた武蔵野の1、2年目社員は、価値観が近かったからです。滋賀ダイハツ販売の社員からしてみたら、武蔵野の幹部には近づきにくい。でも1~2年目社員ならば、何でも質問しやすいし、聞きやすいし、話しかけやすい。一方で、武蔵野の若手社員も、「私も最初はこれができなかったんですけど、こうやったらできるようになったんです」と、自分の体験を踏まえながら教えることができます。人に教えることで、自分自身の勉強にもなりますから、滋賀ダイハツ販売の社員も武蔵野の社員も、どちらも学ぶことができたという、一石二鳥の効果を生み出したわけです。

 ……後藤社長は、滋賀ダイハツ販売が環境整備に取り組んだことで、どのような変化があったとお考えですか?

後藤 先ほどお伝えしたように、掃除をすることに関しては、環境整備に取り組む前からある程度はできていたと思います。でも、環境整備点検(点検シートにもとづき、月に一度、環境整備の成果をチェックするしくみ)のように、「チェックをする」ことはありませんでした。環境整備をするようになって、PCAの「C(チェック)』ができるようなったことが、大きな変化だったと思います」