キシリョフは、「革命工作の資金源」にも言及した。

 革命援助資金は、米財務省から、国務省「国際開発局」(USAID)に送られる。USAIDは、それをNED(全米民主主義基金)に流す。米国政府は13年、NEDに1億1100万ドルの資金を充てている(NEDは、民間からの資金を調達することも許可されている)。

 NEDは、その資金を、IRI(共和党国際研究所)、NDI(国際民主研究所)などに提供する。資金はさらに、「反米国家」の「NGO」「NPO」に流れ、「民主化」という名の「革命運動」に使用されていくというわけだ。

 この話、普通の日本人が聞けば、「バリバリ陰謀論だな~」と思うだろう。しかし、香港の件ではないが、同じような話が日本の新聞にも載っている。産経新聞05年4月2日付は、同年3月に起こった中央アジア「キルギス」の革命原因について触れている。

 記事名は、「キルギス 米NPOが支援 政変実現させる」。一部引用してみよう。
 


<「キルギスのアカエフ政権を崩壊に追いこんだ政変をめぐり、米国の民間非営利団体(NPO)によるキルギスの独立系メディアへの支援などの民主化促進活動が実を結び、政変につながったとの見方が米国で強まっている。>(産経新聞05年4月2日)

米国の支援で「クーデターが起きた」というのだ。では、革命に貢献したNPOとはどんな団体なのか?同記事は、1、フリーダムハウス 2、国家民主研究所(NDI) 3、共和党国際研究所(IRI)を挙げた。

 では、これらNPOの資金源は誰なのか?


<92年の「自由支援法」に基づき、米国家予算から捻出されている。
国務省国際開発局(USAID)を通じて、キルギスのNPO活動のために組まれた予算は、2005年度会計年度で総額3300万ドル。>(同上)

 ここに書かれていることは、香港デモについてのキシリョフの主張とかわらない。登場する組織名まで合致している。