『断絶の時代』
ダイヤモンド社刊 2520円(税込)

「学習が、大人になれば止めるものでなく、生涯継続すべきものとなったからには、学校もまた継続学習に向けて組織されなければならない」(『断絶の時代』)

 まもなく、あらゆる者が、数年ごとに学校に戻ることが当然となる。成人が学校に戻ることが常識になる。

 もちろん、18歳で学校に行くのをやめたからといって、知識労働に必要な知的資質を欠いていると見なすべき理由はない。ドラッカーは、むしろ逆だという。

 10年もすると、誰もが学校に戻りたくなる。そのとき彼らは、その強い動機づけのゆえにきわめて意欲的な学生となる。

 人は、人生のいかなる段階にあろうと、さらに高度な知識労働への道を開くことができなければならない。そして社会は、年齢にかかわりなく、いかなる人をも受け入れなければならない。そのようにして、組織の多様性も確保される。

 知識が仕事に不可欠になったからには、継続学習、すなわち成人を何度も学校に帰らせることが必要だ。日本でも、社会人学生が増え、専門職大学院が次々に設立されている。

 今日すでにあらゆる分野の人たちが、自らの再教育のために学校に戻り始めた。

 「知識社会では学校と生活は切り離されたものではありえない。学校と生活は相互にフィードバックしあうという有機的なプロセスとして結合される。これこそが、継続学習が目指すものである」(『断絶の時代』)