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外資系リーダーが日本を変える

1プラス1を3にするグローバル企業
~ファイナンスから見たグローバル企業の強み

祖父江基史・前ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン
経理・財務・戦略担当役員

GAISHIKEI LEADERS
【第9回】 2014年10月31日
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「卵はいつくかのバスケットに分けて入れよう」。これは、投資の鉄則だ。全世界でビジネスを展開するグローバル企業には、1つの市場だけに依存しない強みがある。一方で、グローバル企業の経営は、世界を相手にするだけに一筋縄でいかない難しさがある。どのようにしたら困難を乗り越えて強みを生かせるのか。ファイナンスの観点から、前ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン経理・財務・戦略担当役員の祖父江基史氏に聞いた。

グローバル企業は競争上、圧倒的に優位

 外資系の日本法人で働いていると、業績は山あり谷ありです。利益が倍になったかと思えば、数年後には半分になることも珍しくありません。そのたびに、社内は一喜一憂で大騒ぎです。もし、日本法人が単独の会社だったら、さぞかし安定感のない危なっかしい会社でしょう。

祖父江基史(そぶえ・もとし)
前ブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン経理・財務・戦略担当役員

1965年東京生まれ。早稲田大学理工修士ならびにデューク大学経済学修士。日本銀行で9年間勤務の後、インテル、デル、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)にて、国内外のファイナンス、セールスマーケティング職を歴任し、ビジネスモデルの提案、プロフィットストリームの改善に従事する。2014年8月末にBATを退職し、現在、ノースキャロナイナ州立大学客員研究員。GAISHIKEI LEADERSのメンバーとしても活躍する。

 しかしながら、多くのグローバル企業は、全社的に見れば業績を継続的に成長させています。ある国が悪い時には他国が好調だったり、ある国で将来のための投資が必要になれば、他国で利益を確保したり、お互いにかばい合える体制となっているからです。株主から見れば、同じ期待成長率だったら、安定・安心できる方が企業価値を高く評価できます。

 また、グループ全体で安定しているからこそ、国ごとの業績の浮き沈みに左右されることなく、苦しい中でも次の一手を打つことができます。業績の悪い時に何もできない会社と比べて、1歩も2歩も前に進むことができます。

 そして、何といっても、経済のグローバル化が進展した今は、グローバルでビジネスを展開したほうが、規模、投資効率、ブランド力、価格交渉力など、多くの面で圧倒的に優位な立場に立てるのです。

 グローバルに展開は、各国をバラバラに運営していては、1プラス1は最大でも2にしかなりません。下手をすると、経営のタガが緩み、2以下でしょう。

 1プラス1を3にするためには、全社を統合してメリットを最大限に生かす経営を行うことが必要です。各国が自分の役割を理解し、整合的に全力を出すことで、初めてグローバル化のメリットが生かされます。

 グローバル企業は、最初からグローバル企業だったわけではありません。海外進出やM&Aを通じて、ビジネスを広げ、グローバルでの統合という困難を乗り越えてきたのです。では、グローバルでの統合に必要なものは何でしょうか。

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GAISHIKEI LEADERSは、外資系企業での仕事等を通じて日々グローバル社会とかかわってきたメンバーが、自らの『和魂洋才』を一層磨き上げ、社内外で活用し、グローバル社会と調和した、開かれた元気な日本の未来を実現することを目指し、設立されたコミュニティ・プロジェクトです。『和魂洋才』の梁山泊となり、日本社会・日本企業の多様性の欠如や視野狭窄、長期停滞等の課題に対して、新たな視点での解決策を提案し、政治・経済・教育の各分野から日本社会に変革を起こしていくことをゴールとして活動を展開しています。

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真のグローバル経営を経験してきたビジネス・リーダーが、日本社会・日本企業の多様性の欠如や視野狭窄、長期停滞などの課題に対し新たな視点での解決策を提案し、政治・経済・教育の各分野から日本社会に変革を起こしていくことをゴールとして活動する「GAISHIKEI LEADERS」。そのメンバーが、日本企業にとって最優先課題といえる「経営のグローバル化」について各自の経験と知見に基づき、グローバル規模の仕組みを理解し、日本のユニークな強みをそれと調和させた上で一層輝かせていくための新しい「グローバル経営論」を解説します。

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