賃料が徐々に下がっていく…。
最後には最初の半分の額に!

 しかし、私は結局、この契約を2年ほどで終了しました。なぜかというと、運営会社から私に支払われる賃料が徐々に下がっていき、安定収入が望めなくなってしまったからです。

 最初に提示された賃料は、驚くほど高額でした。私の借りていた土地が、商業地で周りに飲食店や会社がたくさんある、駐車場には最適の場所だったからです。私が大家さんに払っている地代より、はるかに高い金額でした。

 ただ、契約書には「採算が合わない状況になった場合は、賃料は下がる可能性があります」と書いてあったのですが、解約はいつでもできるということだったので契約をしました。今にして思えば、いい条件に舞い上がってしまい、その後のことを考える慎重さが抜け落ちていました。

 そうしたら、契約して6ヵ月くらいでちょっと下がり、さらにもう数ヵ月したら下がり……と賃料ダウンの提示が何度も繰り返されて、1年半くらい経過した頃にはなんと、最初に提示された額の半額になってしまったのです!

 これでは近いうちに、月極と変わらない値段になってしまい、土地代を支払ったら利益がほとんどなくなってしまうかもしれない……と、私はだんだん焦ってきました。

 こうして状況が徐々に悪化していくのを、そのままにしておくわけにはいきません。こうなったら、いっそ自分でやってみよう! 2年経ってそう決意した私は、それまでの契約を解約し、「自主運営方式」にチャレンジすることにしました。

「自主運営方式」に変えたら
2倍以上の売上に!

 自主運営方式とは、その名のとおり、運営を自分で行う方法です。機器類や設備を全て自分でまかない、アスファルトを敷いたり機械の設置などの工事の手配も行い、料金設定も自分で決めます。
保守管理だけは専門の業者にまかせる場合がほとんどですが、手間とリスクを背負う代わりに、利益はすべて自分のものとなります。

 こうしてサブリースから自主運営に切り替えたところ、月極駐車場のまま活用する場合と比べて、2倍以上の売上を得ることができました。その後、4年間の運営で得た利益を元手にして、アパート一棟を購入することができたのです。

 このように、土地をレンタルして始めたコインパーキングが、私の最初の不動産投資でした。この土地を活用できていなかったら、資金もできず、アパート一棟購入など夢のまた夢だったでしょう。

 パートとして働きに出ることもなく、自分の代わりに土地が働いてくれて、月々60〜80万円の売上を生むことができたのです。

 いっときはクレジットカードさえもてずに、自分の結婚を後悔したこともありましたが、今はむしろこの境遇に感謝しています。せっぱつまって始めた不動産投資で、無我夢中でやってきた結果、自分なりにリサーチを重ねて努力すれば、安定した利益を生み出せるということが分かったのですから。

 さらに、お金だけでなく、やり甲斐や充実感も、もたらしてくれたのです。工夫次第で売上アップも図れる醍醐味については、次回お話ししたいと思います。

(取材・文 高瀬由紀子)