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金融市場異論百出

天敵の台頭を警戒するFRB
言葉の“魔法”が限界迎える日銀

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2014年10月31日
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 「米国の政界で最も興味深い男」。米「タイム」誌10月27日号は、そういった言葉を添えてランド・ポール上院議員(共和党)の写真を表紙に掲載した。

「米国の政界で最も興味深い男」、ランド・ポール上院議員(共和党)が将来、FRBの命運を握ることになるかもしれない
Photo:AP/アフロ

 51歳の彼は2016年の大統領候補者選挙に出馬するもようで、米国の党派政治を変えてくれるのではないかと期待され始めている。以前はティーパーティ(茶会党)の代表的な議員だったが、近年は現実路線を重視しており、「ワシントンポスト」(電子版)は「彼をティーパーティ派と呼ぶのをやめるべき時期が来た」とのコラムを8月に掲載している。

 しかし、彼の人気の高まりをFRB(米連邦準備制度理事会)は警戒しているだろう。なぜなら、彼はFRBの廃止を声高に主張していた、あのロン・ポール元下院議員の息子だからだ。ランドは父親の戦略と異なって、過激な「理想論」とは距離を置いている。もし彼が大統領に就任したとしても、さすがにFRBを廃止することはないだろう。

 ただ、議会の承認を得ずにFRBが量的緩和策で大規模にドルをばらまくのは、許容すべきではないと彼も考えている。会計検査院によるFRBへの監査を強めて、独立性を事実上剥奪する法案を通すよう、彼は今年も主張した。

 実はランドのようなFRB批判は意外に米国民から支持されている。昨年、米調査会社ラスムッセンが行った世論調査では、74%がFRBへの監査を強めるべきだと答えた(共和党支持者では83%)。

 量的緩和第3弾(QE3)を終えたFRBは、来年ゼロ金利政策を解除して金利を順次引き上げていこうとしている。ただ、仮にそれが16年の米経済にブレーキをかけ過ぎ、大統領が共和党に移るとFRBにとっては厄介だ。イエレンFRB議長の再任も危うくなる。

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