上司と部下が対話する「1on1ミーティング」。当たり前のコミュニケーション手法のようだが、それがYahoo! JAPANを変え、「爆速経営」を支えた。
第2回は1on1ミーティングをバックアップする、コーチングとフォロワーシップについて解説する。

1on1ミーティングの目的は
組織によって違う

 みなさんの職場で1on1ミーティングの導入を検討しているとしたら、その理由はどのようなものでしょうか?まずは理由を明確にする必要があります。

-上司が部下の業務の進捗管理を行うため?
-若手の社員に対して定期的な教育の場を提供するため?
-コミュニケーションを円滑にしてチーム力を高めるため?

 1on1ミーティングに限らず何らかの人事施策を導入するには、目的とビジョンを明らかにするべきです。

 なぜそれをやるのか、誰がどのような状態になったら成功なのかを可視化して曖昧な部分を無くします。同じ施策でも目的が異なるとやり方も違いますし、ビジョンが一致していないと向かう方向が定まりません。

 1on1ミーティングを導入する前夜を思い起こしてみると、世の中ではスマートフォンやタブレット端末を中心とした新たなサービスが次々と生まれていました。その中ですでに巨大な組織となっていたYahoo! JAPANは大きな意思決定をするのに時間を要していました。

 新経営体制になり意思決定のプロセスが大きく見直され、組織はダウンサイズ化し、権限を委譲することが急ピッチで進められました。これが「爆速化」です。

 まず、権限を委譲するとはどういうことか、ということを考えました。

 単に責任の範囲を明確にし、決定権を与えることではない。それぞれが主体的に動き出し、与えられた権限を積極的に使っていくためには「才能と情熱を解き放つ」ことが必要だ。

 現在でも、人事施策を語る場において「才能と情熱を解き放つ」というキーワードが頻繁に登場します。

 今、自分が行っている選択は社員の才能と情熱を解き放っているのか?

 これが私たちの原点となりました。

 次に「才能と情熱を解き放つ」ためにはフォロワーシップを引き出すことが必要だと考えました。

 部下のフォロワーシップ(言い換えると、小さなリーダーシップ)を引き出し、競争を勝ち抜くための意思決定を起こしていく。

 口で言うのは簡単かもしれませんが、やってみろと言われてすべての人がなかなかできることではありません。

 Yahoo! JAPANでは1on1ミーティングは上司のための時間ではなく、部下のための時間です。上司が好き勝手に話すのではなく、部下の内省を促し、成長の機会を提供することによってフォロワーシップを引き出す機会として存在しています。