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今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

【グレン・グールド
「バッハ・ゴールドベルク変奏曲」】
世界のバッハ観を根底から覆した“愛すべき頑固者”

小栗勘太郎 [音楽愛好家]
【第98回】 2014年11月13日
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 世の中には「頑固者」と呼ばれる人々がいます。

 「頑固」を大辞林で引くと「他からの話などを聞き分けず、かたくなに自分の考えや態度などを守ること」と定義してあります。

 大体において、「頑固者」とは、否定的な意味合いが強いのですが、場合によっては、非常に肯定的な意味で使うことがあります。そこには2つの要素が挙げられます。

 第1に、世の常識に囚われることなく、世間の評判を無視して、兎に角、我が道を行く、という姿勢。

 第2に、その我が道を行く姿勢で、それまで誰も達成できなかった大きな業績を上げることです。

 公共政策の世界で言えば、日銀の黒田総裁が肯定的な頑固者の範疇に入るのではないでしょうか。2%のインフレを実現するために、「やれることは何でもやる」という姿勢を貫き、昨年は“異次元の金融緩和策”を打ち出し、アベノミクスが機能することを証明しました。つい最近も、世間の予測を越えて追加金融緩和を実施し、世界のマーケットに影響を与えました。

 勿論、音楽の世界にも、愛すべき頑固者が何人もいます。いや、歴史に名を刻む偉大な作曲家や演奏家の相当部分は頑固者なのかもしれません。何故ならば、真に美しい響きを探求する時には、常識は邪魔でしかありません。

 と、いうわけで、今週の音盤は、グレン・グールド「バッハ・ゴールドベルク変奏曲」です(写真)。

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小栗勘太郎 [音楽愛好家]

1958年生まれ、牡羊座のB型。某国立大学卒、米国滞在5年。公僕を生業とする音楽愛好家。著書は『音楽ダイアリーsideA』 『同sideB』(西日本新聞社)。『毎日フォーラム』誌にて「歴史の中の音楽」を連載中。


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ビジネス・パーソンは日夜、現場で闘って、日々、喜怒哀楽を感じる。実は音楽の現場も同じだ。だって、音楽もビジネスも、所詮、生身の人間が作る、極めて人間くさい営みだから。音楽には妙な薀蓄など不要かもしれないが、音楽が生まれる時には物語がある。それを知って聴けば、喜びが倍になり、悲しみが半分になるかもしれない。毎週1枚、心のビタミンになるような音盤を綴ります。

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