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岸博幸のクリエイティブ国富論

竹中平蔵 特別インタビュー(前編)
「麻生政権は評価できないほど無茶苦茶」

「ポリシーウォッチ」 リニューアル記念企画

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第16回】 2008年11月21日
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竹中平蔵・慶應義塾大学教授を中心とした改革派エコノミストの集団である「チーム・ポリシーウォッチ」は、2年前から活動を行っているが、改革の後退、政策の偏向、それに伴う経済の悪化という現実を踏まえ、サイトを全面的にリニューアルして情報提供を強化した。そこで今回はポリシーウォッチの代表であり筆者の元上司でもある竹中教授に、今の日本について率直に語ってもらった。正しい現状認識のための一助としてお読みいただければ幸いである(聞き手・岸博幸)。

竹中平蔵
竹中平蔵 慶應義塾大学教授/チーム・ポリシーウォッチ代表 Photo by T. Usami       

―日本経済の現状をどう見ていますか?

 日本経済は明らかにすごく悪くなっている。政府の調査の中で、経済の実態判断のために一番信頼できるのは景気ウォッチャー調査であるが、11月に公表された最新の結果は、同調査の開始以来最も悪い数字になっている。これが事態の深刻さを表しているのではないか。日本経済は土砂降りに近い状況になっている。

―そこまでの危機感があるかは別にして、麻生政権は経済対策を発表しています。特に定額給付金については様々な批判が巻き起こっていますが、どう評価していますか?

 政策論の観点から考えると、ワイドショー的な次元以外でも問題が多いことが分かる。第一に、そもそもこの話は減税から始まった。税金を払っている人を対象に、税金を安くするということである。それが、いつどのような理屈で定額の給付金に変わったのかについて全く説明がない。

 第二に、そもそも定額給付金はマクロ経済政策なのか、貧困対策なのか。その意味付けによって政策の実行方法も変わってくるはずなのに、政策としての性格についての説明が全然ない。

 また、もしマクロ経済対策を意識している場合、以前の地域振興券で配った金額の1/3しか消費に回らなかったという教訓をどう活かし、どう変えようとしているのか。この点についても説明が全然ない。政策としてのそもそも論について何も説明がなされてないのは最大の問題である。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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