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これからの日本ブランドの30年にむけて

「日本ブランド」の真の変革へのリーダーシップは誰が担うか――CBO(Chief Brand Officer)の必然性

和田千弘,古谷公,畠山寛光,田中 功,藤村紘一
【第9回】 2014年11月21日
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実力をブランド価値へと転換できない
「日本ブランド」のジレンマ

 2014年10月、インターブランドは「ブランド価値」によるグローバル・ブランドランキングBest Global Brands2014を発表した。

 昨年に引き続きAppleとGoogleがそれぞれ第1位と第2位を堅守し、両社ともに1000億ドルを 超えるブランド価値を記録したことに加え、Huaweiが中国ブランドとして初めてランキングに顔を出し、ベストグローバルブランドの歴史を作ったことを報道等で目にされた方も多いだろう。

Best Global Brands2014

 翻って日本ブランドを俯瞰すると、Toyota、Honda、Nissanら自動車勢を中心にブランド価値を着実に伸ばした企業は存在するものの、未だ、日本ブランド全体での存在感は大きいとは言い難い。

 インターブランドはBest Global Brandsと併せ、日本企業のブランド価値を図るJapan’s Best Global Brands(海外売上比率が30%以上の日本企業を対象)、Japan’s Best Domestic Brands(海外売上比率が30%未満の日本企業を対象)という2種類のランキングも発表している。このランキングによると、Best Global Brands全体のブランド価値成長率(過去2年間の平均)が8.4%であるのに対し、Japan’s Best Global Brands及びJapan’s Best Domestic Brandsを合わせた日本企業全体のブランド価値成長率は2.7%に過ぎない。言い換えれば、グローバルのトップブランドは、日本ブランドの3年分のブランド価値成長を、わずか1年未満で達成してしまう。

 私たちインターブランドジャパンは、日本ブランドの新たな飛躍を願い、これまでの8回の本連載を通じて、年々高度化するブランディング技術を概観し、それらを活用することで企業価値を向上させる戦略について提言してきた。その根底にあるのは、最新のブランディング技術を生かすことが至極当たり前な経営活動となっているグローバルブランドに対して、日本ブランドの多くは、未だにその意識が希薄なケースが多いという認識である。

 強力に成長するグローバルブランドと日本ブランドを比較すると、従来のあらゆる枠組みを超えた発想から、自らの事業コンセプトや事業目的をシンプルに再定義し、組織の自律的イノベーションや継続的変革をもたらす力、顧客体験や提供価値を客観的な視点から修正し続ける力は、見劣りすることがある。その差は、「ブランドを中心にした経営」を実行できているか否か、から生まれるケースが多いというのが、我々の分析である。

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インターブランドジャパンについて
 

インターブランドは、1974年、ロンドンで設立された世界最大のブランドコンサルティング会社。世界27 カ国、約40 のオフィスを拠点に、グローバルでブランドの価値を創り、高め続ける支援を行っている。インターブランドの「ブランド価値評価」は、ISO により世界で最初にブランドの金銭的価値測定における世界標準として認められ、グローバルのブランドランキングである“Best Global Brands”などのレポートを広く公表している。
 インターブランドジャパンは、ロンドン、ニューヨークに次ぐインターブランド第3の拠点として、1983年、東京に設立された。ブランド戦略構築をリードするコンサルタント、ブランドのネーミング、スローガン、メッセージング、ロゴ・パッケージ・空間・デジタルのデザインを開発するクリエイターが在籍し、さまざまな企業・団体に対して、トータルにブランディングサービスを提供している。著書に「ブランディング7つの原則」(日本経済新聞出版社刊)。


これからの日本ブランドの30年にむけて

 日本経済は世界第3位の規模を誇るものの、「グローバル」における「日本ブランド」のプレゼンスはその経済規模に見合ったものになっているとは言い難い。世界と伍して戦える“強いグローバルブランド”の存在なくして、少子高齢化が加速するこの国の未来はない。
 2020年の夏季五輪大会の東京招致成功は、日本全体が長期的な視点で物事を考え、改革を進める機運をもたらした。私たちはこの機会を逃すことなく、2020年を通過点と捉え、さらにその先を見据えた日本企業のブランドの姿を考えなければならい。
 インターブランドジャパンは設立30年を契機とし、これからの日本の“30年”にむけ、 “強いグローバルブランド”確立のために、「日本ブランド」が今取り組まなければならないことは何か、長期的な視点から、多面的な提言を行う。
 

「これからの日本ブランドの30年にむけて」

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