一橋大学イノベーション研究センター教授 米倉誠一郎氏。プロジェクト発足の2010年から塾長を務める。

 そしてもう1つは、「人生における“自分の軸”をつくる」ことだ。塾長を務める一橋大学の米倉誠一郎教授は、軸についてこう語った。

 『自分自身をデザインできなければ、日本の未来をデザインできるわけがない。これから社会に出ていく君たちにとって重要なのは、就“社”ではなく、就“職”。自分は何を大切にし、いったい何のプロで生きていくのか。だからこそ、迷ったときに立ち戻ることができる“自分の軸”を持つことが大切だ。』

仲間がいるからこそ
起きた化学変化

 こうしたメッセージを受け、受講生たちは想いを持った仲間と本音で話し始める。会場は熱気に包まれた。

 さらに自分の軸を見つけた彼らは、次々とアクションを起こし始めた。一人ひとりが未来公約を宣言した後、共感する仲間を集めたスピンアウト企画を続々と立ち上げていったのだ。そのテーマは、旅、学び、スポーツなど様々。3日間のプログラムが終了した今も、フェイスブックのグループページは日々の活動を報告し合う投稿で溢れている。

 刺激ある仲間とともに、これからさらにどんな化学変化を起こしてくれるのか。半年後の同窓会での再会が今から楽しみだ。 

【DAY2-3】 ワークショップ 《フューチャーセッション》
DAY1で感じた「変化のきざし」をもとに、フューチャーセッションという手法を使い、受講生自らが未来のシナリオを描いていく。そのプロセスのなかで、ロールモデルと自分の軸を探究する。最終日には、一人ひとりが「2020年、自分のストーリー」を未来公約として宣言した。
一人ひとりが未来公約を宣言後、自発的にスピンアウト企画を立ち上げる受講生たち。プロジェクト終了後も、フェイスブックを通じて活動を続けている。

*PHOTO: (C)Takeshi Ohyashiki