「好きになれないこと」はムリして続けない

 どういう形で「サンバディ」になるか。

 何に情熱を傾けて生きるか。

 これはそう簡単に見つかるものではありません。運もある。ただ、情熱を傾けられないこと、どうしても好きになれないことを、ムリに理由をつけて続けるのはよくありません。成長しませんし、自分をダメにしてしまいます。私自身、最終的に追いかけるものは、自分のアンテナが反応するまま、とても散漫に物事に取り組んでいくなかで見えてきました。今は、「サンバディになりたい」という漠然とした欲求でいい。

 自分のアンテナに反応して、キラキラした破片を拾い集めていけばいい。

 そうすれば、やがて「追いかけたいもの」が見えてくる。

「一つのことを究めなくては」と若い頃からヘンに力んでいる必要はありません。なかには、フィギュアスケートの浅田真央さんや、将棋の羽生善治さんのように、10代から一本道を全力で走り抜ける人がいますが、あのような才能の持ち主は例外中の例外です。

 世の中の99%の人は、最初は何がやりたいのか自分でもわかっていません。それが、社会に出て、数々の失敗をして、30歳をすぎた頃からようやくおぼろげながら見えてくるのです。

 次回の連載は11月25日掲載予定です。