経営 × ビジネスSNS

シェアオフィス激戦区の渋谷で
働き方の変革が静かに進行中

河合起季
【第244回】 2014年11月20日
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コーヒーブレイクなどの仕掛けで
交流をユルめに促す

 シェアオフィスに会員同士による協働やビジネスチャンスの創造を期待するニーズもあるようだが、その点について北川さんは?

 「ビジネスで関わることはあまり考えていません。ご自由に、というのが基本的なスタンスですし、この中で仕事がどんどんつながって回っていくのも、自然に生まれる程度で十分。

 というのは、こういう距離感の中で仕事をするには、一人ひとりのバランス感覚みたいなものが大切です。シェアハウスじゃないんですから、そこにいる人に話しかけていいかどうかは分かりませんよね。それで、夕方のコーヒーブレイクや週1回のホームパーティー、数ヵ月に1回の交流会など、知らせたい人と知りたい人が自然な形で出会える機会をつくっています」

 たとえば、コーヒーブレイクは、スタッフが毎夕4~5時頃にワークスペースの一角にあるキッチン&ダイニングでコーヒーを豆から挽いて用意し、ブレイクタイムを取れる人が自由に参加するというスタイルだ。

 「じつはここには、仕事のリズムをつくり出したいという意図もあるんです。組織で働くメリットのひとつは、切磋琢磨する同僚やアドバイスをもらえる上司と共に働けること。みんながいるから仕事にリズムが生まれると思うんですね。

 でも、フリーランスは、孤独な世界で仕事をすることが多い。コーヒーブレイクを設けることで、このワークスペースが単純な生産性を生むだけでなく、それ以外のちょっと豊かなものを提供できる場になるのではと考えています。シェアオフィスという空間にはこうした工夫がいろいろできるんじゃないかと、ちょっと可能性を感じながらやっています」

 鈴木さんも「タイミングがあえば、積極的に参加してコミュニケーションをとっています」という。実際に、交流を通じて知り合った人に名刺の制作など簡単な仕事を依頼している。意識的にではないが、人脈づくりにも役立っているようだ。

 前述したように、PoRTALの利用者はフリーランスで働く人が中心だが、なかには年商10億円以上の経営者や大手企業に勤めるビジネスパーソンもいる。サイドビシネスの仕事場として使う、会社の仕事を持ち込むなど、使い方も人それぞれだ。

 今や、カフェなどでパソコンやタブレットを開くビジネスパーソンの姿は珍しくないが、今後、シェアオフィスは新たなワークスタイルのカタチとして定着していくのかもしれない。

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