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第2次リストラ時代(!?)に贈る 私が「負け組社員」になった理由

弁護士に踊らされ、法的手段に…。
「内容証明郵便」で会社を敵に回した瞬間

年下上司との対立が、会社との全面戦争に発展した白井氏のケース

吉田典史 [ジャーナリスト]
【第4回】 2008年12月22日
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 年下の上司からあごで使われる。そんなことは、誰もが受け入れたくない。しかし、その厳しい現実の中で生きていかざるを得ないのが、会社員。中には、年下の上司からいじめを受けることもある。それでも、大多数の人は反論できない。

 今回は、不当な行為をしてくる年下の上司と闘おうとしたつもりが、気がつくと会社を敵に回してしまい、いちだんとみじめな「負け組」に追いやられてしまったひとりの中堅社員を追う。

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■今回の主人公
白井 岳(仮名 38歳男性)
勤務先:首都圏にあるマンションなどを販売する、中堅の住宅販売会社(社員数300人程)。大手不動産会社の関連会社ではあるが、最近はプロパー社員が役員になり始めた。成果主義もそれなりに浸透し、社員の士気は比較的高い。
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(※この記事は、取材した情報をプライバシー保護の観点から、一部デフォルメしています)

社長宛てに送った
「内容証明郵便」

 「どうも、悪い方向に行っているように思います」

 「争いは、双方に言い分がありますから」

 「先生は、私の側に立ってくださるはずじゃなかったのですか?」

 「内容証明を送るくらいでは、びくともしない会社もありますよ、と再三お伝えしたはずです」

 「でも……」

 「どうされますか? 次の対抗手段としては、裁判があります」

 「………」

 白井は答えられなかった。裁判で争ってまで決着をつけるなんてことは、考えていない。そしてこのまま、弁護士のペースに引きずられることに不満を感じた。白井は、法律事務所を後にしようとした。出入口付近で、秘書らしき女から声をかけられる。

 「今日の相談料は1時間ですから、1万円となります」

 小さなため息が出てきた。会社との間におきた退職強要事件をめぐり、弁護士に相談した回数は計5回。相談時間30分で5000円、1時間で1万円という具合に報酬規定で定まっているのだという。すでに5万円ほどを使い込んだ。

 起死回生策として、会社の社長宛てに送った内容証明郵便の作成費が3万円。これまで内容証明といえば、離婚や交通事故など個人的な事情で相手と激しくもめたときに、自らの権利を守るために送るもの、と白井は思い込んでいた。まさかそれを自分が勤務する会社宛てに送ることになるとは、まったく想像していなかった。

出社しても、
何もやることがない日々

 白井は2年半程前に中途採用試験を経て、この会社に入社した。

 少しでも成果を出そうと試みてきたが、成績はよくならなかった。1年前に、2つ年下の柴崎(36歳)が上司(マネジャー)となり、そのころからこの会社で働くことに苦痛を感じはじめた。

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吉田典史 [ジャーナリスト]

1967年、岐阜県大垣市生まれ。2006 年からフリー。主に人事・労務分野で取材・執筆・編集を続ける。著書に『あの日、負け組社員になった・・・』『震災死 生き証人たちの真実の告白』(共にダイヤモンド社)や、『封印された震災死』(世界文化社)など。ウェブサイトでは、ダイヤモンド社や日経BP社、プレジデント社、小学館などで執筆。


第2次リストラ時代(!?)に贈る 私が「負け組社員」になった理由

会社から冷遇され、気がつくと「負け組」となってしまった人たちを毎回取材。彼らの実体験を振り返ることで、企業の冷酷さだけでなく、自己防衛できなかった敗因を分析。第2次リストラ時代で生き残る術を探る。

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