5度目のリコールを出したホンダ「フィットハイブリッド」。その基幹部品を共同開発する独自動車部品大手のCTOに、日系メーカーとの協業の在り方を聞いた。

シェフラー副CEO兼最高技術責任者(CTO) ペーター・グッツマー<br />ホンダ・フィットの開発は挑戦<br />日系メーカーとの協業を増やすPhoto by Mitsufumi Ikeda

──日系メーカー向けの売り上げを、1割から3割に引き上げることを目指している。

 われわれは既にマツダに対して、新世代クリーンディーゼルエンジンの部品を、また富士重工業やジヤトコには無段階変速機を納入している。日系メーカーとの取引実績をさらに飛躍させるべく、2020年までに日本の開発人員を、現在の2倍の約500人まで拡大する。今後も日本の自動車メーカーは世界の主要プレーヤーであり続けるし、重要な意思決定がなされている場所に、われわれも重要拠点を構えなければならない。

──共同開発したトランスミッションが採用されているホンダ「フィットハイブリッド」では先月、5度目のリコールが出た。

 5度のリコールのうち、三つのケースについて、われわれの技術が関与している部分がある。過去の経験で想定していたリスクよりも、最終的に発生してしまった問題の方が大きかったかもしれない。

 発売後、比較的早い段階で問題が表面化したのは不幸中の幸いだが、問題の所在を認識し、オープンな形でホンダと共に早期解決に取り組むことが重要だ。