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岸博幸のクリエイティブ国富論

民主党“脱官僚”に灯る黄信号
国家戦略局がこのままでは危ない!

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第57回】 2009年9月25日
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 今週は本論であるメディア論に戻ろうかと思っていたのですが、日々入ってくる情報から、民主党が目指す“脱官僚”が早速暗礁に乗り上げつつあるように感じられますので、今週はこの問題を考えたいと思います。

民主党内部の勢力争いに便乗
菅直人外しに血眼の官僚たち

 これまで何度も言っていますが、私は民主党の目指す“脱官僚”という方向性は正しいと思っていますし、是非それを成し遂げてほしいと心から願っています。

 しかし、どうも“脱官僚”の司令塔になるべき国家戦略局が、既に官僚によって骨抜きになりつつあるように見受けられます。

 どうやら、そもそも民主党の内部でも政治家同士の勢力争いのようなものがあるようでして、副総理である菅直人さんが実権を握るのを嫌う政治家が多いようです。そして、官僚がそうした対立の構図にどんどんつけ込んで、国家戦略局に出来るだけ権限が行かないようにしようとしています。

 例えば、藤井財務大臣は「予算の編成権はあくまで財務省にある。その大原則は何ら変わらない」と記者会見で発言しています。これは、財務官僚にとっても望ましい姿であり、大臣と官僚が一致団結して、国家戦略局を予算に関与させないように仕向けているとも見られるのではないでしょうか。

 また、経産省も水面下で盛んに暗躍しています。経産省は行政刷新会議に食い込んで、国家戦略局よりもそこに様々な権限を持ってこようと画策しているようです。

 なぜ官僚はそのような行動をしているのでしょうか。理由は簡単です。官僚の側からしても、菅さんがもっとも怖いのです。だから、菅さんよりも官僚に対して理解のある他の大臣のところに出来るだけ多くの権限が残るようにしたいのではないでしょうか。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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メディアや文化などソフトパワーを総称する「クリエイティブ産業」なる新概念が注目を集めている。その正しい捉え方と実践法を経済政策の論客が説く。

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