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クレディア破綻で忍び寄る
地域金融機関への“連鎖”

週刊ダイヤモンド編集部
2007年11月1日
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 上場する消費者金融会社として初の経営破綻となったクレディアの処理問題が、地域金融機関の経営にも飛び火しそうだ。

 静岡市に本社を構えるクレディアは、9月14日、民事再生法の適用を申請し、事実上、経営破綻した。破綻の原因は、消費者金融を取り巻く環境の変化。利息制限法を超える過払い利息返還請求の広がりや、いわゆるグレーゾーン金利の撤廃などの影響をモロに受けたかたちだ。

 負債総額は757億円で、このうち510億円が金融機関などからの借入金だ。地元の清水銀行や群馬県の東和銀行(第二地銀)などが相次いで損失を計上、業績の下方修正を発表するなど、地域金融機関への影響が出始めている。

 なかでも関心を集めているのが50億円を融資していた静岡銀行。融資額の半分程度に担保を設定し、破綻直後に保全した。

 だが、その担保が貸出債権、つまり利用者のローン債権だったことから同行の立場が微妙になった。債権を譲り受けた後、ローンの利用者に直接、債権譲渡通知書を送り付けてしまったことから、「家族にばれた」などといったクレームが相次いだのだ。

 それだけではない。ローン債権だけに、過払い利息返還請求も、もれなくセットとなる。つまり、クレディアに代わって返還に応じなければならない可能性が高まり、「利息返還がいくらになるか、想像がつかないだけに大きなリスク」(地方銀行幹部)を抱え込んでしまったというわけだ。

 さらにクレディアが過払い利息の請求権を、優先的に保護する対象とせず、銀行融資などの一般債権と同列に扱う方針を打ち出したことも波紋を広げている。

 これがスタンダードとなれば、消費者金融側は過払い請求リスクを払拭でき、「民事再生法の適用申請で、経営再建を目指す消費者金融が相次ぐ」(消費者金融幹部)と見られるからだ。

 そうなれば、「融資先の3分の1がノンバンク」(地銀幹部)とまでいわれる第二地銀の経営に大きなダメージを与える。たとえ損失額が少なくても収益規模が小さいだけに、「消費者金融の破綻が相次げば、赤字転落する第二地銀が続々と出てくる」(同)というのだ。

 クレディアに10億円以上の融資を行なっている金融機関は215にも上る。

 今後、消費者金融の破綻ラッシュになれば、地域金融機関の経営を揺るがす大問題へと発展しかねない。
(『週刊ダイヤモンド』編集部 田島靖久)

※週刊ダイヤモンド2007年11月3日号掲載分

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