応募者は
面接官の鏡

 ここまで読んで、「学生側の問題・課題が大きいな」と思われた人事の方がいれば、誤解が広がらないように、最後に一言つけ加えたいと思います。

 子どもが大人の鏡であるのと同じように、学生は企業人の鏡であり、面接の場に来る志望者は面接官の鏡でもあるのです。ですから、学生が私たちから見ると「ちょっとどうなんだろう」という振る舞いや発言を面接の場でしているのであれば、それは私たちの面接のやり方、採用活動のやり方に問題があるのではないかと、考えてみる必要があるはずです。

 生物は環境に適応することによって生存を許されます。学生も今の就職活動という環境に必死に適用しようとしています。そして、情報過多の海の中でやみくもに過剰適用しがちなところがあります。

 これが、2つのミスマッチの根本的な原因だともいえます。

 このちょっとズレてしまった適応のサイクルを変えることができるのは、企業側、面接官側のはずです。

 今の学生の就職活動に何か不満や意見があるのでしたら、自らの採用活動を少し変えてみる、何か新しい工夫をしてみる、それが私たち企業人の役割ではないか、そんな風に思います。

 次回は、このあたりをもう少し深めてみたいと思います。