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投資銀行マンのもらい逃げを防げるか?
リーマン社員を厚遇する野村の本当のリスク

週刊ダイヤモンド編集部
2008年10月31日
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 経営破綻したリーマン・ブラザーズのアジア・太平洋部門と欧州・中東部門の一部を買収した野村ホールディングスが10月24日、アジア・太平洋と欧州の株式部門の地域ヘッドを、それぞれ旧リーマン社員から任命したと発表した。

 「金融のノウハウは、企業ではなく人にくっついているもの」(関係者)。リーマン買収の狙いもまさしく優秀な人材の確保であった。

 とはいえ、旧リーマン社員のノウハウを取り入れるにも問題が残る。ある大手投資銀行の関係者は、「リスクコントロールと報酬制度をどうするかが難しい」という。

 一般に投資銀行では、成果に応じて報酬も上下する。レバレッジをきかせて高いリスクをとれば高いリターンが得られるため、それだけ高額のボーナスが支給される。従って、個人はリスクを取ることを厭わない。その翌年に多額の損失を被っても、クビになるだけで、すでに多額の報酬は得ている。関係者によれば、「10年も働いていれば、一生働かなくても生活には困らない額」というからすさまじい。だが、クビにしても損失だけは会社に残ることになる。

 であれば、それらをコントロールすることが必要になる。野村はこれまでも、米国型の投資銀行を目指した結果、ニューヨークやロンドンにおいてハイリスクをとり、多大な損失を出してきた。「コントロールの手法をリーマン社員たちに学ぼうということだろうが、単に任せっきりでは、おそらく何をやっているのかさえ理解できないだろう」(関係者)

 野村は今後、「出身母体に関係なく、より成果に応じた人事・報酬制度へとシフトしていく」(関係者)という。旧リーマン社員にはそれまでの報酬を保証したため、野村社員たちとの平均年収の差は摩擦を生みかねないからだ。しかしながら米国では、その成功報酬制度についてまさに今、批判がなされている状況だ。少なくともこれまでのように単年度の利益で評価する報酬制度では、社員だけが潤い、会社に巨額の損失が発生する事態は避けられない。

 正解がないだけに容易ではないが、今後の野村の動きに業界の注目が集まっている。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 池田光史)

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