12月14日に衆議院選挙が行われる。安倍首相は、「アベノミクス解散だ」と語っていた。筆者は、今後の日本経済の行方を左右する重要なイベントだというのは、重々承知である。しかし今ひとつ、盛り上がりに欠けると感じる。

 その理由は、消費税増税を先送りして、いったい何を目指すのかがぼんやりとしか伝わってこないからだろう。この点は、与野党ともに共通する。そこで、今一度奮起して、私たちは何を各政党に求めるべきなのかを整理してみた。

ポイント1:
未来志向か

 まず心構えとして、私たちは過去の実績ではなく、各党の政権公約が本当に未来志向なのかどうかを、チェックしなくてはいけない。今回選挙で勝利すれば、場合によっては2018年12月まで任期の洗礼を受けずに、政策運営を担うこととなる。

 2020年の東京五輪が目前になっている時期である。この間、少子高齢化ないし人口減少、産業空洞化はさらに進んでいく可能性がある。各政党は、構造問題がじわじわと企業や勤労者の事業基盤を弱体化させていく流れに、果たして歯止めをかけられそうか。

 アベノミクスの場合、「日本再生」を掲げ、「消費税率引き上げの延期は、ようやく動き出した経済の好循環を止めない」ようにすると説明している。2015年10月に消費税率を10%に引き上げていれば、経済の好循環は止まっていたのだろうか。

 具体論に踏み込んで、2015年にかけて、経済を強くする要因は何があるのだろうか。1つは、賃上げによる個人消費の刺激。企業にとっては、法人税減税がある。ややトーンダウンしているが、TPP交渉をまとめて自由化を進めることも挙げられる。