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『みずものがたり――水をめぐる7の話』編集ディレクターが語る

【第19回】 2008年4月15日
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みずものがたり――水をめぐる7の話
Think the Earthプロジェクト編著 ダイヤモンド社刊 1900円(税別)

 水は実に不思議で面白い物質だ。0度から100度という高い温度で液体でいられること、固体の氷よりも液体の水の方が重いこと、熱しやすく冷めにくい性質……。どれをとっても、あらゆる物質の中で特別な性質ばかりなのだ。

 人間を含む生命は、地球が誕生してから46億年の時間をかけ、この水を母体として進化と多様化を遂げることができた。地球は太陽からの距離、大きさ、重さなど、たくさんの条件が奇跡的に整って、0度から100度のあいだ、つまり水が液体として存在できる温度を長い時間保ってきた。たとえば、もし地球の軌道が今よりちょっとでも太陽から遠ければ、水は凍りついてしまい、ちょっとでも近ければ蒸発してしまうという。私たちの星は、絶妙な距離をぐるぐるとまわっているのだ。そのおかげで、水が液体のままで存在し、気温がある一定の範囲に保たれ、生命は進化のための膨大な時間を与えられた。その進化の末に登場した人間も、体の70%が水でできている。少々大げさかもしれないが、私たちは水そのものだと言えるかもしれない。

気候変動と水問題

 しかし私たち自身でもある、その「水」を人間は大切にしているだろうか。水汚染や飲料水の争奪など、世界は水の問題に満ちている。21世紀は水で戦争が起こるという人もいるくらいだ。日本人は「湯水の如く使う」という言葉があるように、どうしても水に対して意識が低い。どうしたらもっと「水」について考えるようになるのだろうか。水のことだけでなく、自然とのつながりを忘れて生きる私たちのライフスタイルが、いま地球規模の気候変動を引き起こしている。そのしっぺ返しは、洪水や干ばつといった形で水環境にも影響を与え始めている……とまぁ、こんなことを考えながら本書は作られた。

小・中・高等学校へ寄贈

 本書の編著者としてクレジットされている、私たちThink the Earthプロジェクトという活動体は、コミュニケーションとクリエイティブの力で、環境や社会の問題をわかりやすく人に伝えることをミッションとしている。本書を含む一連のシリーズは、ダイヤモンド社と東京大学の山本良一教授と私たちの3者で、普段は環境問題にあまり関心を持たない多くの人にもメッセージが届く本を作りたいという想いから2003年にスタートした。最初に出版された本は『1秒の世界』というタイトルで、テレビ番組にもなったのでご存知の方も多いかもしれない。『みずものがたり』は、このチームで世に出す5冊目の本ということになる。本シリーズは全て、大人でも子どもでも読めるエコブックとして全国の小・中・高等学校に寄贈されている。(詳しくは、未来図書室へ)

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