不機嫌な職場ほど
多くのリスクが潜んでいる

 あなたの部下が不正をしていたら、あなたはそれを事前に発見することができるでしょうか。

 経費の使い込みをしていたり、不正な取引をしてリベートを得ていたり、取引先に個人情報や機密情報を流していたり、品質基準を満たさない商品を流していたり・・・・・・。

 悪意を持ってこうした不正を働く人は、そうはいないはずです。でも、モラルが乱れがちな不機嫌な職場では、「気づくと不正に手を染めてしまっていた」という人も、少なくありません。

 たとえば、過度な成果主義のなかで「リストラ対象にされたくない」という一心から架空売り上げを計上していたり、「自分は傍流なんだ」と卑下しているうちに誰もみていないのだからこのくらいやっても構わないと不正な処理をしていたり。

 もちろん、理由はどうであれ、不正は許されるものではありません。しかし、日々のプレッシャーで追い込まれ、自分の居場所を失くした人たちが自暴自棄になって犯した過ちを一方的に責め立てるだけで、こうした不正はなくなるのでしょうか。

 それに、悪意を持っていようが、追い詰められていようが、こういう人が出てしまったら、いずれにせよあなたの監督責任が問われます。

 「なぜ不正を事前に把握できなかったのか」「不正が起きないような指導ができなかったのか」と、上司や会社から責め立てられるかもしれません。

 そういう意味では、あなた自身を守るためにも、職場の仲間や部下を守るためにも、そして会社を守るためにも、「リスク・マネジメント」が必要になります。では、どうすればよいのでしょうか。