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やる気を引き出すオフィスの仕掛け

 社員の仕事に対するモチベーションを上げ、業績をアップさせたい。これは、いつの時代のどんな経営者にも共通する願いだろう。実際、モチベーションをコントロールするための著書やセミナーなども数多くあり、経営者に限らずビジネスパーソン共通の強い関心がうかがえる。

 社員のモチベーションや業績を上げるため、最近は特に企業活動の拠点となるオフィスの環境整備に力を入れる企業が増えてきた。1990年代までは、ほとんどの企業にとってオフィスは“作業をこなすための空間”でしかなかった。しかし、PCやネットの普及で作業自体の効率が上がり、個々のアイデアやクリエイティビティが重要視されるようになったことで、社員のやる気を引き出す仕掛けとして、オフィス環境に注目する企業が増えてきたのだ。

 では、現在行われている“オフィス環境の整備”とは、具体的にどんなものなのか。オフィス事情に詳しい人々の意見をまとめると、オフィス環境を一新することで得られる効果は主に3つあるようだ。

 1つはコーポレートカラーを使用する、オフィスの内装で“わが社らしさ”を表現する、といったことで得られるブランディング効果だ。社員にとって“自慢のオフィス”になれば、働くモチベーションを上げることにつながるし、社外からのお客様に対して自社のカラーを打ち出すこともできる。これは、リクルーティングなどにも影響する。

 2点目は、レイアウトを見直したり、クラウド化を進めたりすることで得られる業務効率の向上。社員が個人専用のデスクを持たない“フリーアドレス制度”を導入することでオフィスがコンパクトになったり、それにともなってペーパーレスが進むなど、コスト削減にもつながる。