フィリピン在住17年。元・フィリピン退職庁(PRA)ジャパンデスクで、現在は「退職者のためのなんでも相談所」を運営しながら、仕事のパートナー一家と一緒に暮らす志賀さんのフィリピンレポート。長い黒髪が誇りだったフィリピン女性の間に今も茶髪ブームが到来。流行の震源地はJ・POPやK・POPという。

 ビッグ・マミー(仕事の相棒ジェーンのお母さん)の髪が赤いのにふと気がついた。ジェーンに聞いてみると、「グスト・コ(好き、したいの意味)」とのことだった。お母さんに少しでも若く、きれいでいてほしいという娘心なのだろう。

 ビッグ・マミーは孫のジェムジェム(ジェーンの弟ボボイの子ども)とともに1カ月ほど我が家に滞在している。その前は1週間おいて1カ月以上滞在していたから、かれこれ3カ月、ほとんど我が家にいることになる。その目的は定かではないが、とくに田舎(ビコールの農場)にいなければならない理由もないので好きにしているのだろう。

 相棒のジェーンは「マミー」と呼ばれ、我が家のボスとして君臨している。我が家のメンバー全員は、マミーの許可なしでは何もできない。しかしジェーンのお母さんの登場で区別が付かなくなり、お母さんは「ビッグ・マミー」と呼ばれ、義理の孫にあたるキム(ジェーンの夫の連れ子)やヤヤ(子守り)のドナに指示を飛ばしている。本来ならばロラ(おばあさん)なのだが、農場では現役でマミー役をこなしているので、まだまだ引退してロラにはなっていないという意思表示なのだろう。

長髪は若い娘の特権なのか、マミーともなるとみな髪を短くしている。しかし茶髪ブームは老若男女に共通のようだ。左がビッグ・マミー、右がマミー(ジェーン)【撮影/志賀和民】

流行の震源地は日本と韓国

 話を茶髪に戻すと、確かに最近、やたらと街に茶髪があふれているのが気にはなっていた。若い女性のほとんどが髪を染めている。20年ほど前に日本で茶髪ブームが巻き起こったころ、フィリピンでは長い黒髪はフィリピン女性の誇りであり、美の象徴だった。私は勝手に、茶髪文化はフィリピンには受け入れられないものと信じていた。

 しかし昨今、あるいは今年に入ってから、にわかに茶髪が目立つようになり、1メートル近い長髪を見事に茶色に染めている女性も目に付く。カラオケに行っても、ほとんど100%のGRO(ホステス)が髪を染めている。

 流行に敏感な10代ともなると女子大生の大半が髪を染めているそうで、キムの通うマプア工科大学でも茶髪はもちろん、金髪、赤毛、果ては青や緑の多色髪のオンパレードだそうだ。

 キムの話によると、火付け役はK・POPやJ・POPあるいはコスプレやアニメで、多分に日本や韓国の影響によるものとのこと。ちなみにキムは黒髪のままだ。

キムの友達は服装を替える様に、髪の色や模様を替えている【撮影/志賀和民】

(文・撮影/志賀和民)

著者紹介:志賀和民(しが・かずたみ)
東京出身。東北大学大学院修了後、日揮(株)入社。シンガポールにをかわきりに海外勤務を歴任。1989年日揮関連会社社長に就任しフィリピンに移住。2007年4月PASCO(サロン・デ・パスコ)取締役。


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橘 玲(Tachibana Akira) 作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。「海外投資を楽しむ会」創設メンバーのひとり。著書に『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』『(日本人)』(幻冬舎)、『臆病者のための株入門』『亜玖夢博士の経済入門』(文藝春秋)、『黄金の扉を開ける賢者の海外投資術』(ダイヤモンド社)など。
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