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ファシリテーションの道具箱 森時彦

思考の悪癖を「見える化」し、矯正する

森 時彦 [チェンジ・マネジメント・コンサルティング代表取締役/リバーサイド・パートナーズ代表取締役]
【第4回】 2007年11月29日
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 組織には、特有の思考パターンやクセがあるものだ。それをいったん「見える化」することで、そのクセを客観視することができ、違った発想が促されることがある。今回は、その「見える化」に役立つ思考システム図を紹介する。

[事例] 催事に頼るデパート経営

 一般に小売業界全体がそういう傾向にあるが、予算と帳尻が合わないと慌ただしく催事を企画する百貨店は多い。この百貨店でも、ご多分に漏れず、期末になると年中行事のように慌ただしく催事が企画されてきた。もちろん、それで帳尻が合えばいいのだが、年末年始に行なったばかりで、2月になって慌ただしく企画してもその効果のほどはしれている。それにもましてコストが上がり、期末催事の経済効果には、現場レベルで疑問の声が絶えない。それでも、何かしないと上に対して説明できないという理由から、この百貨店では恒例行事のように“緊急”期末催事が行なわれてきた。

◎思考システム図で思考の悪癖を「見える化」し、矯正する
◎思考システム図で思考の悪癖を「見える化」し、矯正する

 この悪循環に気づいた管理部門のA氏は、図(ブルー)のように自分たちの思考パターンを描き出し、彼がリーダーを務める業務改革のクロスファンクショナルチームに問いかけてみた。「期末催事は、ほとんど収益に効果がなく、上への言い訳のためだけにやっているように私には思えるが、この堂々巡りから脱出するにはどう考えたらいいと思いますか?」

 チームは、この思考システム図が示すとおりの思考パターンに陥っていることは認めるものの、かといってどうすればいいかについては、すぐには考え及ばない。「確かにそうかもしれないが、だからといって他に何ができるんだ?」という諦め型のコメントや、「催事で集まった客が他のものを買うこともあるし、ウチに足を運んでくれるだけでも催事の意味はあるんじゃないか?」という現状追認型の反応が大多数を占めた。それでもこの図を示しながら粘り強く反応を聴いていくと、ひとりの若手から違う反応が出てきた。

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森 時彦 [チェンジ・マネジメント・コンサルティング代表取締役/リバーサイド・パートナーズ代表取締役]

1952年大阪生まれ。大阪大学、マサチューセッツ工科大学卒。工学博士、経営学修士。日本GE役員、テラダイン日本法人代表取締役等を経て、チェンジ・マネジメント・コンサルティング代表取締役。2007年、中小企業の成長促進・事業承継に重点を置いた投資会社リバーサイド・パートナーズの代表取締役に就任。著書に『ザ・ファシリテーター』『ザ・ファシリテーター2』『ファシリテーター養成講座』(いずれもダイヤモンド社刊)などがある。


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