例えば土木工事において正確な位置を出す作業である丁張りと測量作業が不要になるため、待ち時間がなくなり作業時間が短縮される。また、施工中の確認作業が減るためオペレーターの疲労が大幅に低減されるだけでなく、稼働中の機械の周りに測量作業員が立ち入らずに済むため接触事故も防止できる

「その結果、大きなコスト削減効果が期待できる」(フレンチ氏)というのである。同じ施工現場は二つとないため、あくまでも目安だが、ある現場で2次元のガイダンス機能を使って作業したところ、作業時間62%短縮、燃料消費量41%削減、燃料当たりの生産性が36%向上した。

 キャタピラーは世界中に張り巡らせたディーラー網を通じ、Cat製品を使用する顧客にさまざまなサポートを行っている。

トータルソリューションで
顧客の成功を支援

機械内部のオイル/冷却水を定期的に採取・分析することで、性能低下や故障の予兆を捉える。ラボでは月平均1万本を分析している

 日本キャタピラーでは、秩父デモセンター(埼玉県秩父市)を活用したオペレーションスキル教育や、グループ傘下のキャタピラー教習所での女性向け建設機械資格の講習の実施等、建設業界の人材育成の機会を積極的に提供している。もちろん、現場で働く建機に対するサポートも万全。多くの建機にはプロダクトリンクという通信機器が装備されており、顧客だけでなく日本キャタピラーのセールスマンやメカニックが稼働時間や機械の状況を逐次把握。突発的な故障や性能低下を未然に防ぐ体制を整えている。さらに人間でいう血液検査に当たるS・O・Sというオイル/冷却水の分析を、最新設備のラボで定期的に行い、エンジン、トランスミッション、減速機、油圧機器等のオイルの状態から故障の兆候を早期に捉え顧客に点検のアドバイスをしている。ラボが分析するサンプルは月平均1万本に上るという。

 さらに世界中に展開するCatディーラーが蓄積した情報をグローバルで共有する仕組みがあり、日本における顧客サポートに生かされている。

「最良のトータルサービスをお客さまに提供することでお客さまの成功はもちろん、豊かで便利な社会資本の整備に貢献していきます」とフレンチ氏が話す通り、日本キャタピラーでは顧客ニーズに対応したソリューションをトータルで提供。徹底した顧客サポートを追求している。