3月末決算の会社では、年度末に部下との評価面談を行なう会社が多いことと思います。

 面談される部下は、通知表をもらう小学生のようにドキドキしていることでしょう。正直、あまり歓迎されるものではありません。しかし同時に、面談をする上司サイドも楽しいものではないようです。

  「悪い評価の部下には、どんな風に伝えているの? 具体的事実を示しても納得してくれないことが多いんだよね」

  「キャリアの考え方について、時間をとって話そうとするんだけど、『よくわかりません』って言われると、ついつい自分があれこれしゃべってしまう。気がつけば、ほとんど自分が話していて、部下の話をまるで聞いていないことも・・・・・・」

  「1人あたりの面談に『最低30分時間をとれ』って言われるけど、年度末の追い込みで忙しい時期に、そんなの無理だよね!?」

 この時期、ミドルマネジャーたちは、評価面談に対して色々な悩みを抱えているようです。今回は、「部下との面談のあり方」について考えてみたいと思います。

面談はゴールではなくスタート
「最後通告」と捉えたら意味がなくなる

 端的に言えば、面談を苦痛に感じている上司は、その場を部下への「最後通告の場」、言わばゴールとして捉えている傾向が強いと思われます。つまり、1年間の積み重ねに対する評価を下し、動かし難い結果を受け入れさせる場と見ているのです。

 確かに、評価の結果が面談によって変わることはないので、そういった一面もあります。しかしそれだけであれば、1人ひとりに時間をかける必要はありません。

 実際、面談に全く時間をとらずに評価だけを記入した目標管理シートを配るだけのマネジャーを時折見かけますが、こういった考え方に立てば、それはごく自然な振る舞いなのかもしれません。

 しかし、面談はゴール(終わり)ではなく、スタート(始まり)。面談を前述のように考えているマネジャーは、発想の転換が必要です。部下に結果を受け止めさせた上で、「これを機にどういうことに取り組んでいこうか」という未来を創らせる場にすべきです。