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12月16日 18時0分
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2015年相場展望 Vol.1 サイクル - 広木隆「ストラテジーレポート」

衆院選の結果について

2015年の相場展望について語る前に、一応、衆院選の結果に触れておこう。与党の勝利は政権の安定=構造改革進展期待につながり株式市場にとってポジティブな材料には違いない。だが、ポイントは別のところにある。

① 自民党が勝ち過ぎなかったこと: 自民党は公示前の295議席から4つ減らした。沖縄の全選挙区で競り負けるなどの取りこぼしが目立った。
② 公明党と共産党の躍進: 公明党は小選挙区で立候補した9人全員が当選、比例代表で4議席伸ばし、現行制度で最多の35議席を獲得した。共産党は、1996年以来となる小選挙区での議席を獲得し、比例でも議席を伸ばした。公示前の8議席から2倍以上の21議席になった。
③ 第三極の惨敗: 維新の党、次世代の党、生活の党など「非自民、非民主」の受け皿を目指した第三極は惨敗したと言える。小選挙区で勝利したのは18人にとどまった。

株式市場にとって良い点:
自民党が勝ち過ぎなかったことで、安倍首相への抑止力が働く。今回の衆院選で与党は3分の2の議席を獲得した。こうなると、2016年夏の参院選の焦点として憲法改正問題が浮上しやすく、それは株式市場にとっての懸念材料となる。しかし、自民党単独の議席は291で、参院で否決された法案を再可決できる衆院の3分の2 (317議席)に満たない。さらに、参院では公明党を含めなければ与党が過半数に達しないため、どう転んでも公明党の協力がなければ、憲法改正などに踏み出せない。さらに「自民党より右」を目指した次世代の党が壊滅状態(当選は知名度のある平沼氏を入れて2議席のみ、前回から18議席減)になったことを考えれば、有権者が過度な右寄りの主張をいかに嫌うかわかったことだろう。これで憲法改正や靖国問題などへの執着を弱め、公言通り、経済優先で取り組むほかはなくなったと思われる。

株式市場にとってのリスク:
安倍政権が、公明党と共産党の躍進の背景を、過度に警戒すること。低投票率のなかで組織票が効いたぶんはあるにせよ、共産党の躍進は無党派層をうまく取り込んだことにある。昨今、『21世紀の資本』が邦訳されてブームになっているが、同書の主張通り、日本でも格差社会についての問題意識が台頭していることが底流にあるのかもしれない。公明党と共産党の躍進により、社会的・経済的弱者に対して政治の配慮がなされるのは正しいことではあるが、それが行き過ぎて「円安抑制論」などにつながるとすれば、株式市場にとっての悪材料となるかもしれない。

相場のサイクル

2015年は、きりのいい年の相場だけに、よくよく慎重に予想したいところである。僕がマネックスに入ったのが2010年だから、そこから数えて5年になるし、アベノミクスが始まってから実質的に3年目の相場になる。アベノミクス相場は実際には2012年11月の衆院解散宣言のときからスタートしていたわけだが、「15カ月予算」と同様の考えをすれば、2013年がアベノミクス相場の実質1年目。日経平均は5割超の記録的な上昇となった。2年目の今年、2014年は前半低迷し、ようやく年末に上がり始めたが、昨年末対比ほぼ横ばいで、踊り場となった。昨年の大幅高の後だけに、当然と言えば当然である。そして、来年だが、来年は再び大幅上昇となるのではないか。理由は2つある。

ひとつは、これまでのパターンが2000年代前半から中盤にかけての相場に似ていることである。ITバブル崩壊後、3年連続で大幅安となった日経平均は2002年の年末は8,500円台という安値で終えた。翌2003年、りそな銀行への公的資金注入=不良債権問題の終焉という材料で大底を入れ、上昇に転じた。しかし2004年は踊り場となる。2005年8月になって景気の踊り場脱却宣言が日銀・政府そろって出され、続く9月の小泉郵政衆院選での自民党圧勝〜大相場へという流れだった。安値から相場が放れるときは、底打ち〜上昇〜踊り場〜上昇相場第二幕、というサイクルがあるように思われる。それに従えば、来年は上昇相場の第二ステージの幕開けとなろう。まあ、これは、「そんな気がする」程度のものだから、あまりにも根拠が希薄な見通しである。
もうひとつの理由は、もう少し、もっともらしいものだ。前回のレポートで述べた通り、2017年からの逆算である。安倍首相は2017年4月に消費増税を延期した。再延期はない。今度は、景気が悪いからと言って増税を先送りにできない。と、いうことは、そのときまでに、何が何でも景気を良くしておかなければならない。GDP等の数字も大切だが、もっと大切なのはインフレ率だろう。なぜなら、それが日本がデフレを正真正銘、脱却できたかどうかを測るモノサシになるからだ。そしてまた、それがアベノミクスの成否を測るベンチマークにもなる。

デフレ脱却を旗印に掲げて登場したアベノミクス。今回の衆院選はその信を国民に問うものとされた。与党は勝つには勝ったが、自民党は解散時より議席を減らしての勝利だった。アベノミクスが信任されたのではない。2年では結果が出ないから、もう少しやらせてみよう、という有権者からのメッセージである。

その意味でもあと2年で、何が何でもデフレ脱却するしかない。消費税も上げなければならない。打てる手はすべて打たれる。政策が総動員される。と、言ってもできることは知れている。社会保障費の増加に歯止めがかからず、このままでは財政がもたないから消費税を上げようというのに、財政政策の大盤振る舞いでは理屈が立たない。消去法的に金融緩和にバイアスがかかる。来年も日銀の追加緩和が大々的におこなわれるだろう。しかし日銀がこれ以上、国債を買い進むのは不可能だ。そもそも買えるだけの国債がもうなくなっている。よって、これもまた消去法的に考えれば、日銀の量的質的緩和はETF買い入れの増額しかない。現在、3兆円買うとしているETFを5兆円、7兆円、最終的には10兆円くらい買うかもしれない。株式相場は、「ミニバブル」的な様相となるだろう。

政策は早め早めに

日銀の追加緩和の時期については、前回の追加緩和から1年後の10月末 - 物価展望レポートの改定に合わせて - では遅すぎるだろう。原油安によって世界的なディスインフレ傾向が助長されているからだ。もう一度、逆算してみる。2017年を迎えるころには、誰の目から見たって、完全にデフレ脱却している必要がある。2%の消費者物価の上昇が安定的に続くことが必要である。そう考えると、2年間というのは長いようで短い。躊躇している余裕はないはずである。

もうひとつ、来年9月には自民党の総裁選がある。安倍総裁は、衆院選の勝利に乗じて無投票の再選を狙いたいところだが、前述の通り、自民党は議席を減らしての勝利であり盤石の勝ち方ではない。加えて4月には統一地方選挙もある。こうしたことを勘案すれば、早め早めに景気対策を打つ必要性があるだろう。事実、衆院選から一夜明けた直後の党臨時役員で安倍首相は「スピーディーな景気対策をやっていきたい」と発言している。

日銀は、2015年の4月にも追加緩和を決めるだろう。そして10月にも追加策を打つだろう。4月と10月、半期ごとに日銀のETF購入額が増えていく。これ以上、市場のリスクプレミアムを低下させる金融緩和はない。これでバブルにならないほうが不思議である。

整理すると、
・ 盤石とは言えない勝ち方をした自民党の総裁としては、是が非でデフレ脱却を確実なものとし、景気を良くする必要がある。
・ 2017年の消費増税実施もあるし、そもそも「アベノミクス」の成果を問われるのは、ここから先、1〜2年である(というムードに安倍首相自らもっていってしまった感がある)。
・ 原油安の影響もあって物価は世界的に上昇しにくい。
⇒よって、日銀はこれまで以上に大胆で果敢な金融緩和策を打ち出す必要がある。これ以上、国債を購入するには限度がある。緩和策の軸はETFに移るだろう。

バブルにならないほうが不思議である、と述べたが、上述したように「ミニバブル」程度で、本格的なバブルにはならないと思う。理由は、次回、「2015年相場展望 Vol.2 バリュエーション」で解説したい。


(チーフ・ストラテジスト 広木 隆)

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