スマートエイジングライフ
【脂肪肝編】 2014年12月18日
渡邉芳裕
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肥満とアルコールだけが原因じゃない!
「脂肪肝」を引き起こす“ダイエット”の危険性

――日本大学医学部消化器外科・高山忠利教授に聞く

 3つめは、意外に思うかもしれませんが、ダイエットが原因の「ダイエット脂肪肝」です。実は、太っている人だけが脂肪肝と診断されるとは限りません。極端にカロリーを抑えた食事を続けている場合も、肝臓に脂肪がたまっていき、脂肪肝になってしまうのです。とくに、1日に菓子パン1個だけ、卵だけ、フルーツだけなど、一つの食品ばかり食べ、過度なダイエットをしている人は要注意。栄養バランスのとれた食事に切り替えないと、痩せているのに脂肪肝になってしまう危険性があります。無理な食事制限を行うダイエットはしないように心がけましょう。

――アルコールを飲んでいない人でも脂肪肝になるケースがあると聞きますが、これは何が原因なのですか?

 先ほど紹介した3つのタイプに当てはまらないのに、脂肪肝と診断されるケースのことですね。このケースは、エコー検査をしても、見た目は全く脂肪肝と同じ。しかし、これは単なる脂肪肝でなく、実は肝炎が潜んでいる病気なのです。アルコールを飲んでいないのに肝臓に脂肪がたまってくるので、「非アルコール性脂肪性肝炎」(ナッシュ、NASH=Non-alcoholic steatohepatitis)と呼ばれています。

 さらに「NASH」が問題なのは、発がんリスクをともなう肝炎であるという点です。B型肝炎でもC型肝炎でもなく、アルコールを飲んでいない人でも、「NASH」になると肝がんが発生するリスクが高まってくるのです。今までは、肥満大国である米国を中心に、「NASH」から肝硬変、肝がんになるケースが多かったのですが、日本でも5~6年前くらいから「NASH」の患者が増えつつあるようです。健康診断の受診者の20%が脂肪肝、そのうち8%の人が「NASH」であるというデータや、肥満度の分布から日本のNASHの推定人口は50万人前後という試算もあるほどです。

 しかし残念ながら、「NASH」の明確な要因はわかっていないのが現状です。それだけに、早期発見・早期治療が何より重要になります。お酒を飲んでいないのに脂肪肝と診断された人や、メタボリックシンドロームの人は、早めに肝臓内科を受診して、NASHかどうか検査してもらうようにしましょう。


40代からの健康のツボ

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「40代からの健康のツボ」

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