「情熱がある」から「アイデアもしくは技術がある」に変えるには?

 起業に関心はあるもののアイデアや技術がないという人は、私が教える学生のなかにもたくさんいます。もしかしたら、あなたもそうかもしれません。

 まずは、自分が何に関心を持ち、どんな強みやスキルを持っているのかを、書き出して整理してみましょう。そうすれば、チャンスをつかみやすくなります。この作業は、1人で進めてもいいし、一緒に事業を興すかもしれない仲間と取り組んでもいいでしょう。

【検討すべき点】
知識 学生時代、あるいは職場で力を入れていた分野は何か
能力 もっとも得意なことは何か
人脈 他業界に精通している人、他の起業家を知っているか
資金 資金は十分に準備できそうか。あるいは自分のわずかな預金だけが頼りか
知名度 あなた自身、あるいは両親は、たとえば、エンジニアリングのスキルや、光ファイバー技術の知識などで名前を知られているか
過去の仕事における経験 これまで経験した仕事で、非効率的、あるいは「痛み」だと感じたことは何か
市場への情熱 ヘルスケア分野を改善するというアイデアに心躍るか。教育、エネルギー、輸送分野はどうか
コミットメント 時間と労力を注げるか。新事業に、最優先かつ専心して取り組めるか

 プログラミング能力やプロジェクト管理のスキルがすぐれているなら「ウェブアプリ開発」、試作品を短期で仕上げるのに長けているなら「製品の生産」を検討してもいいかもしれません。教育や医療関係の分野で働いた経験があるなら、その仕事の改善法を考えてもいいでしょう。

 自分自身のために役立てようとしたアイデアや技術が、ほかの多くの人にとっても大きな助けになることがよくあります。いわゆる「ユーザー起業家」と呼ばれる人たちはそうして誕生しているのです。米国カウフマン財団の調査結果によると、設立5年以内の新規事業のうち半数近くが、「ユーザー起業家」によって始まったものです(註1)。

Ewing MArion KAuffmAn FoundAtion “NeArly HAlf of InnovAtive U.S. StArtups Are Founded by ‘User Entrepreneurs,’ According to KAuffmAn FoundAtion Study,” MArch 7, 2012, www.kAuffmAn.org/newsroom/neArly-hAlf-of-innovAtive-stArtups-Are-founded-by-userentrepreneurs.Aspx.