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定年前にたそがれない!50代からの人生リセット術 野田稔

二流を超一流に変える「やる気」の与え方――
二軍選手を一軍で活躍させる“内発的動機”の高め方

野田 稔 [一般社団法人 社会人材学舎 代表理事]
【第27回】 2014年12月22日
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自主的な勉強会に残業代がつくと
やる気が薄れてしまう理由

 本連載の第25回では、アンダーマイニング効果に少しだけ触れた。これは、せっかく内発的動機付けで動いている人間に、下手に外発的動機付けをしてしまうと、内発的動機付けが減退してしまうという効果だ。

 たとえば、社員が自主的な勉強会を開いていたとする。それに対して「いいことをやっている」と言って、たとえばその勉強会も残業の対象としてあげる。すると今まで自発的に勉強するという内発的動機付けだったのに、そのうちのたとえば半分ぐらいの動機が、いつの間にか残業代を得るためになってしまう。

 それだけ内発的動機付けは薄れているので、外発的動機付けに頼らないと、この勉強会は続かなくなってしまう。ところが残業代は変わらないし、それほど大きな額ではないだろうから、残業代だけではもう続かないようになってしまって、勉強会そのものがなくなってしまうということもあるのだ。

 社内の勉強会に報酬を払わないのは問題であるとの声もあるが、純粋に心理の問題とすると、必ずしも報酬という外発的動機付けを行うことがいいとも限らないのだ。

 若手の8割以上には、明らかに安定欲求がある。より詳細に論じるのであれば、安定というよりは、「失敗したくないという気持ち」が強いと思われる。今まで大きな失敗をしてきていないから、一度でも失敗したらおしまいだと思っている人が結構な割合でいる。

 そういう人はどうなるかと言うと、一流企業に入ろうとする。もちろん、就活には失敗があるのはわかっているので、記念受験も含めて身の丈、身の下、身の上、全部受ける。問題なのは入社後で、後は上がることではなく、放り出されないことだけを考えるのだ。

 この傾向が、実は勝負の世界であるはずのプロ野球にもある。プロ野球の二軍は所詮ファームであり、一軍で活躍して、初めてプロの野球選手としての記録も残るのだが、二軍でも追い出されない限りは結構な身分保証なので、何が何でも一軍に上がろうとは思わない選手も少なからず出てくるというのだ。

 これも立派なアンダーマイニング効果だ。二軍にいても十分に支払われる報酬やそれなりのレピュテーションなどが、内発的動機付けを減退させてしまったのだ。

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野田 稔 [一般社団法人 社会人材学舎 代表理事]

明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科教授/株式会社リクルートホールディングス リクルートワークス研究所 特任研究顧問。野村総合研究所、リクルート社新規事業担当フェロー、多摩大学教授を経て現職に至る。日本テレビ系列「ズームインスーパー」、NHK総合「経済ワイドビジョンe」「Bizスポワイド」、NHKEテレ「仕事学のすすめ」などメディアでも活躍。主な著書に『組織論再入門』『中堅崩壊』(以上ダイヤモンド社)、『二流を超一流に変える「心」の燃やし方』(フォレスト出版)『企業危機の法則』(角川書店)など多数。


定年前にたそがれない!50代からの人生リセット術 野田稔

大企業の中に、500万人近くいると推計される雇用保蔵者。役職定年者を中心に、もし自分が雇用保蔵人材と認定されているとしたら、どのように自らのキャリアを考え、建て直していくべきなのか。50歳で人生を黄昏(たそがれ)にしないためのマインドセットと自分を変えるための方法論とは……?

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