経営 X 人事

人事 がつくれる仕組み:
メンタルヘルス対策から
健康いきいき職場づくりへ

職場のメンタルヘルス
新潮流3つのおさらい

第1回でご紹介したように、職場のメンタルヘルスに関しては未然防止に関心が高まってきています。特にこの中で、新しい3つの流れがあることも第1回で述べましたが、重要なことなので再度、触れておきます。

 1つめは、“ポジティブアプローチ”。うつ病の予防やストレスの改善だけでなく、従業員のポジティブな心の健康を増進することも、職場のメンタルヘルスの目標にしようという考え方です。

 2つめは、“職場の資源へのアプローチ”。職場組織に注目したアプローチです。

 今日の職場では、職場でのコミュニケーションの低下、信頼および助け合いの低下などが見られます。こうした職場の社会的機能の低下はメンタルヘルス不調の増加や従業員のやる気や活力の低下を招いています。職場組織の機能をメンタルヘルスの「資源」として捉え、向上させることで、メンタルヘルスを改善しようという考え方です。

 3つめは“経営としてのアプローチ”。メンタルヘルス対策を進めようとすると、どうしても経営の視点から取り組む必要が出てきます。従業員のポジティブなメンタルヘルスの向上は、企業の生産性向上にもつながるからです。健康管理部門だけでなく、むしろ人事労務部門が主体となり、経営課題として取り組むことが求められてきます。こうした活動は、「健康いきいき職場づくり」と呼ばれます。

 第2回の本稿では、このような視点から人事労務部門が、職場のメンタルヘルスのためにどんな活動ができるのかを考えてみましょう。

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東京大学大学院医学系研究科(精神保健分野)教授。1957年岡山県生まれ。1985年、東京大学大学院医学系研究科博士課程修了。以来、産業保健と精神保健の研究・教育に従事。東京大学助手、岐阜大学助教授、岡山大学教授を経て2006年から現職。日本産業保健学会等、数々の学会の理事を務める。

 

TOMH研究会

「東京大学Occupational Mental Health」研究会。2009年に発足。臨床心理士や産業医、産業保健の研究者など、研究と実践領域の専門家が集まる。鍵となるテーマを検討・追究し、研究と実践の橋渡しを通じて、働く人全てのメンタルヘルス向上と、専門職のレベルアップに役立つノウハウの蓄積を行う。


ここから始める! ポジティブメンタルヘルス

依然として悩ましい職場のメンタルヘルス問題。" 未然防止"が重要になる今、人事部門がどう考え方を見直し、動けばいいかを、すぐ使える具体的なツールも含めて紹介する連載です。第1回目は、これまでのメンタルヘルスの課題と新しい潮流、そして連載の構成について紹介します。

「ここから始める! ポジティブメンタルヘルス」

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